野菜&果物の美養栄養学

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空腹ホルモンダイエット27~1日に10~16時間の空腹時間を作る“時計遺伝子の存在”

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空腹ホルモンダイエット

[実践編]3週目 “食べない”ダイエットがいいの?

■16日目 1日に10~16時間の空腹時間を作る“時計遺伝子の存在”

ペットを飼っている人なら想像がつくかもしれませんが、動物は目覚まし時計がなくても、日の出と共に、ほぼ毎日同じ時刻に目を覚まして活動を開始します。人にも本来“体内時計”は存在し、1997年には哺乳類の動物に「時計遺伝子」が存在するということもわかりました。これをもとにした「時間栄養学」の研究も進んでいて、毎度の食事で何をどれぐらい食べると健康にいいか、ということも大切ですが、「いつ」食べるか、ということも健康に大きく影響することがわかってきました。

ヒトを含め、ほとんどの哺乳類には、日の出と共に目覚め、暗くなると眠くなる、という体内時計が備わっています。この機能を果たすのが時計遺伝子の存在です。これらが、人の知力、体力、精神力などあらゆる機能を最適化する手助けをしています。

しかし現代は、就寝時間が遅く、翌朝も早朝からお子さんのお弁当作りや出勤…と、体内時計は狂いっぱなしです。それに伴い、3度の食事時間も不規則になっていきます。基本的には脳の「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という器官が体内時計を管理していますが、胃や腸、肝臓、腎臓、血管、皮膚などの組織にも、体内時計の細胞が備わっています。

これらの体内時計は、朝の太陽の光によって目の網膜に受ける刺激でリセットされる、という特徴があります。

もう一つ重要なのが、食事です。食べ物が胃の中に入ってくると、各消化器官を通りながら、それらの体内時計をリセットしてくれることが、近年の研究でわかっています。中でも、朝食がいちばん有効とのこと。英語の「breakfast(ブレックファスト)」は、直訳すると「空腹を断ち切る」という意味でもあるように、前夜最後に食べた時間からその日の朝食まで、空腹時間を毎日一定に保てるかが、健康を維持するキーでもあるのです。

昨日の夕食は何時に食べ終わったか、思い出してみましょう。寝る前に何か食べてしまった方は、その時間が最終食事時間になります。そこから、約10時間後に朝食を摂ると体のリズムが整います。

夜型の方は、帰宅後に食事を摂ると朝食までに10時間の空腹時間を確保できないので、オフィスに着いてから、または家族を送り出してから、遅めの朝食にしてみるのです。この空腹時間は、長ければ長いほどよく、空腹時にしか分泌されない「グレリン」や「アディポネクチン」というホルモンが体内の様々な機能を修復したり、次の消化作業をスムーズにすることもわかっています。空腹時間が短いと、体内リセットの効果も得にくく、不調を引き起こす要因になっていきます。

たとえば残業などで帰宅が遅くなり、夕食を食べ終えたのが23時頃だとしたら、次の日の朝食は9時ごろまで我慢するのがベストです。時間栄養学の観点だけで言うと、夕食から翌朝食まで、10時間以上の空腹時間を保つことが最重要項目。特にいろいろ食べるものの栄養を考えるのが面倒な時には、ピッタリの食事法と言えるでしょう。

【参考文献】

  • 古谷彰子;時間栄養学の3大疑問,日経おとなのoff-医者がすすめる 薬いらずの食べ方,(2015)P90-91
  • 香川靖雄;時間栄養学とアンチエイジング,アンチ・エイジング医学-日本抗加齢医学会雑誌,Vol.10 No.2 (2014) P052-059