野菜&果物の美養栄養学

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免疫力と野菜の関係3~免疫力を低下させる悪玉サイトカイン~その予防食とは?

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今月の新連載は『免疫力と野菜の関係』をお届けしています。前回のお話では、免疫細胞の約70%は腸内にいることをお伝えしました。食事で美腸作用のあるものを食べたり、体内に取り込まれた食物を消化したり、毒素を排出するためにも空腹時間を設けることなどもお話しいたしましたね。本日は、免疫力を低下させる「悪玉サイトカイン」という物質のお話です。

免疫力を低下させる悪玉サイトカインの仕組み

免疫力が低下すると、風邪をひいたり、インフルエンザや食中毒菌に感染しやすくなったりします。体内の免疫システムは「サイトカイン」とよばれるものが握っており、善玉と悪玉があります。悪玉サイトカインが優位になると、やがて末期ガンなどになってしまいますが、実は、人間のカラダは毎日毎日、ガン細胞と闘っています。健康な状態な方でも毎日5000~6000個のガン細胞が生まれており、免疫細胞がそれらをやっつけているのです。数千個と聞くと多いと感じるかもしれませんが、ご存知、人間の細胞は60兆個あります。その中の数千個なので、確率としては100億分の1の割合です。しかし確実に殺傷しておく必要があるのです。

通常、末期ガンになると免疫力は大きく低下してしまいます。それはガン細胞が免疫細胞の機能を抑えてしまうからです。

善玉サイトカインと悪玉サイトカイン

免疫システムには、自然免疫と獲得免疫を操る伝達分子が存在しています。それは免疫システムの細胞が放出する「善玉サイトカイン」と呼ばれるもので、細胞同士が情報を伝達するときに使われる細胞間で情報を伝達する分子のことを指すのです。

難しいお話になりますが、風邪やインフルエンザ予防のために大切なことなので、カラクリを理解しておくと便利ですよ!

免疫細胞は体内に病原体(外敵)が浸入すると、他の免疫細胞に伝え、外敵への殺傷命令を出すときに、善玉サイトカインを使います。また外敵への殺傷を辞める際は悪玉サイトカインを使うのです。サイトカインは細胞同士の連絡系ということですね。

しかし、末期のガン細胞になってくると、外敵への殺傷中止に使われる悪玉サイトカインが放出されてしまうため、免疫細胞は、外敵を殺す必要がないと判断して、殺傷を辞めてしまうことになるのです。そのためガンに対しての「免疫力=殺傷力」が低下し、ガン細胞は増殖してどんどん体内で肥大していくことになります。

末期ガン患者の血液の中には、悪玉サイトカインや様々な毒素が含まれ、これらを体内に宿すことで病気は進行していくことになります。ガンを例に挙げていますが、風邪やウイルス性の疾患でも似たような現象が体内で起きているということです。風邪がすぐに治る人もいれば、長引く人、そして風邪をぶり返す人もいらっしゃいます。

体内が悪玉サイトカイン優位となって、ばい菌やウイルスなどの外敵を殺傷してくれていないのでしょう。

こうした「健康ではない血液」にカラダが慣れてしまうと、病弱な人間となり、近い将来ガン細胞に見舞われてしまうことにもなりかねません。日頃の生活習慣で免疫が正常に働く環境を保てば、細菌やウイルスが侵入する確率も減り、毎日生まれてくるガン細胞を退治して、病気の可能性を減らせ、ガンなどの進行を遅らせることができると考えられています。

具体的に免疫細胞が正常に働く環境については、次回で詳しくお話ししますが、本日は殺菌作用のある食べ物リストをご紹介するので、ご参考に!

殺菌作用のある食べ物リスト

  • ファイトケミカルを含む食品
    植物中に存在する天然の化学物質で、トマトのリコピン、ニンジンのβ-カロテン、唐辛子のカプサイシンなどが代表的です。近年、ファイトケミカルは「第七の栄養素」として注目されています。理由は、これらの栄養素には活性酸素を抑える抗酸化作用があり、免疫機能を高める働きがあるため。
    多くの場合、野菜の色素や香り、苦味、辛味、渋みなどの成分に多く含まれています。玉ねぎのケルセチン、ゴボウのクロロゲン酸、ブルーベリーのアントシアニンなどもその仲間。また、野菜の皮や種、根など、普段捨てられる部分に多く含まれています。ファイトケミカルは熱にも強く、ビタミン類のように加熱調理後に含有量が減る心配も少ないですよ!
  •  プロバイオティクス食品
    ヨーグルトなどに含まれる動物性乳酸菌、キムチやぬか漬けに含まれる植物性乳酸菌、納豆菌、そして味噌などの発酵調味料がこれに該当します。特に納豆の主原料である大豆には免疫細胞を造るのに欠かせない良質なタンパク質や便秘を防ぐ食物繊維、腸管の粘膜を強化するビタミンB群などが豊富に含まれていてオススメです。さらに、乳酸菌と同様、腸内の免疫細胞を活性化させる納豆菌も含まれ、免疫力を上げるのに適した食材と言えるでしょう。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸内の免疫細胞に刺激を与え、活性を強化する働きもあります。

特別なものを食べなくても、身近にある野菜や果物、そして納豆やヨーグルトなどの食習慣が、免疫力UPにつながるので、ぜひ取り入れてみてください。