今月の連載は『免疫力と野菜の関係』をお届けしています。昨日のブログ『 免疫力と野菜の関係5~獲得免疫のお話とウイルスの体内侵入を防ぐ香味野菜』の中で、殺菌作用のある香味野菜やハーブをご紹介しました。これらの植物にはお肉や魚介類が原因となる食中毒の予防にもなります。香味野菜の類には入りませんが、大根も特に生の状態でいただくと、殺菌作用が強いと言われています。本日は、今が旬の大根の中から冬限定で一般のスーパーにも出回る「紅芯大根」を使った保存食をご紹介いたします。
本日の野菜のお話は「紅芯大根(こうしんだいこん)」についてです。
見た目は、やや大き目の蕪のように丸くぽっこりとしており、下から上に白からグリーンのグラデーションを施しています。グリーンの部分にほのかな紅色も確認できますね。そして、カットすると鮮やかな美しい紅色の根輪が!数年前、はじめて紅芯大根を輪切りにした時、感動したのを覚えています♪ まな板を赤く染めてしまうほど、色素は強くなく、加熱すると紅色が退色するので、生の状態でいただきましょう。通常の大根よりも甘く、大根特有の辛味もさほど感じません。酢につけると、紅色がさらに鮮やかになります。千枚漬けとして漬物も有名ですが、フランス料理の付け合せなどにもよく使用される野菜です。
通常の大根と同じく、ジアスターゼなどの食化酵素が含まれ、食べ過ぎ・飲みすぎによる胸やけや胃もたれを緩和する作用が期待できます。
そして殺菌や解毒作用が期待できる成分として、イソチオシアネート、スルフォラファンなどが含まれます。スルフォラファンは、ガン細胞を撃退することで一躍有名になった成分ですね。
そして紅芯大根が紅いのは色素成分でもあるポリフェノールによるもの。ポリフェノール類も抗酸化作用があるので、免疫力UPに役立ちますね。
殺菌作用が期待できる保存食~紅芯大根のワインビネガー漬け
【材料】作りやすい分量
- 紅芯大根 1個(小ぶりなら2個、約300g)
- 白ワインビネガー 50cc
- 砂糖(ラカント/てんさい糖) 大さじ2~3(お好みで調整してください)
- 塩 小さじ1/4
【作り方】
- 紅芯大根は薄く皮をむいて、1.5cmほどのサイコロ型にカットし、密封容器に入れていく。
- 塩をふって2~3分おき、水分が出てきたら、軽く水気を搾る。
- 小鍋に白ワインビネガーと砂糖を入れて極弱火にかけ、砂糖が完全に溶けたら火からおろす。※沸騰させないように注意する。
- 3の甘酢がまだ温かいうちに、2に入れてよく混ぜ合わせ、1晩寝かしてできあがり。
※冷蔵庫で1週間ほど日持ちします。
☆お酢は白ワインビネガーを使いましたが、普通のお酢やリンゴ酢、また甘味料の種類を変えたり、シソやハーブを加えたり、いろいろアレンジしてお楽しみください♪ 他の野菜と共に簡単なサラダとして、またご飯やパン、どちらにもあいます。
【美養効果】
紅芯大根で保存食を作っておくと、見た目も華やかで、美養にもいい成分が効率よく摂取できそうですね。前述の紅芯大根のお話で触れた、ポリフェノールによる抗酸化作用や、消化酵素による殺菌作用の他に、酢と塩で漬けているので、乳酸菌が発酵されます。これも腸内の善玉菌を増やす働きがあるので、直接、殺菌はしなくても、腸内環境を善玉菌優位にしてくれるのが嬉しいですね。