風邪やインフルエンザが蔓延している時期に注意したい感染症の1つに「中耳炎(ちゅうじえん)」があります。文字通り、耳の感染症です。
中耳炎とは?
中耳は、耳の鼓膜(こまく)の奥にあり、鼻の奥と耳管(じかん)という管でつながっています。この管を通じて、鼻から中耳に「肺炎球菌」、「インフルエンザ菌」などのウイルスが入り込んで感染し、発症します。「急性中耳炎」と呼ばれています。
また3ヶ月以上治らないものを「慢性中耳炎」、治ったあとも、炎症などで出てきた液体が中耳に溜まったままの状態を「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)」といいます。
どの年代でも発症する感染症ですが、お子さまの耳管は、成人よりも短くて太く、菌が届きやすいので、乳幼児の発生が多く見られます。
保育園や幼稚園で風邪やインフルエンザが流行している時期は、中耳炎の懸念も高くなるので、注意しましょう。
風邪やインフルエンザの時に、中耳炎にかかりやすい理由としては、咳やくしゃみが出た時、鼻水に含まれる菌が中耳に入りやすいからです。
中耳炎の症状と対応
感染すると、半日ほどで発症することもあります。耳の痛み、耳が詰まったような感じ、音がこもる、耳鳴り、難聴などと共に、発熱があります。1~3日ほどで痛みはおさまりますが、中耳に溜まった膿(うみ)がなくなるのには時間がかかるでしょう。
抗菌薬の服用などが一般的な治療です。放置しておくと、重症化して、耳の鼓膜を切開する場合があるので、早めに医療機関へ行くようにしましょう。完治するのに時間がかかることもありますが、途中で通院をやめずに最後まで治療することが大切です。
レアケースではありますが、中耳炎がもとで、難聴がのこる場合があるからです。
中耳炎の予防や改善につながる食品や栄養成分
海外では、中耳炎の栄養療法が一般的になっていて、レシピ本なども出ているようですね。青背魚や、鮭(さけ)、鮪(まぐろ)、そして亜麻仁油やエゴマ油などの植物油に含まれているDHAやEPAなどがよく挙がっています。
DHAやEPAはオメガ3系脂肪酸になりますが、これらの脂肪酸に抗炎症性があり、中耳炎の改善にも役立ち、特に、耳管の炎症を抑える効果が期待できるそうです。
また、日頃から肉類よりも、魚介類を多く食べている人の中耳炎の発症も少ないようです。あくまで、海外での報告ですが、取り入れておきたいですね。
肺炎球菌やインフルエンザ菌が鼻の粘膜の細胞に付着するのを低減する効果が期待できる成分としてキシリトールが挙がっています。
鼻腔内の菌が減ると、耳管を通ってウイルスが中耳に入る確率も減るので、中耳炎の予防につながる、というものです。
キシリトールは、ガムやキャンディでお馴染みですが、いちごやブルーベリーなどのベリー類の果物に含まれています。今はいちごが美味しい時期ですし、風邪の時でも、喉にしみないので、ビタミンC補給にもいいでしょう。
ビタミンCも風邪予防にいいビタミンの代表格ですね。かんきつ類は喉が痛い時にしみてしまいますが、いちごや野菜などから摂取しておきましょう。