野菜&果物の美養栄養学

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誤嚥性肺炎は若年層も危ない?よくかむ食事の大切さ

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)と聞くと、高齢者の病気だと思われる方も多いでしょう。
しかし、忙しい現代、早食いグセのある方は、どの年代でも注意が必要です!

「気管に食べ物が入ってしまい、咳き込んだ」という苦しい思いは、1度ぐらい経験があることと思います。
これがいわゆる「誤嚥(ごえん)」です。
高齢者だけでなく、小さなお子さまも注意が必要です。

すぐにおさまる場合もありますが、肺炎に発展してしまうケースもあるので、食べ物の「飲み込み違い」がどう影響してしまうのか、メカニズムから知っておきましょう。

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 誤嚥(ごえん)とは?

専門用語で書くと、難しく感じますが、高齢者に多い代表的な病名にもなっているので、これを機に覚えておくと何かと役立ちます。

食べ物を飲み込む働きを嚥下(えんげ)機能といい、本来、口から食道へ入るべき食べ物が、気管に入ってしまうことを誤嚥(ごえん)といいます。

お年寄りに誤嚥性肺炎が多いのは「食べ物をかんで飲み込む」という嚥下機能が弱ってくるため、唾液や食べ物、そして胃液などと一緒に、誤って細菌を気道に吸引することにより肺炎を発症させます。
※参考:『エッセンシャル臨床栄養学

わかりやすくいうと、誤嚥したときに、カラダの免疫力が弱っていると、食べ物と一緒に細菌も気管に送ってしまい、肺炎を引き起こしているのです。

お年寄りは「食べ物をかんで飲み込む」という機能が、どうしても年齢とともに弱ってくるので、発症する人が多くなりますが、若年層でも、早食いグセのある人や、いつも時間に追われて、慌てて食事を済ませている人は、よく「誤嚥」でむせているのではないでしょうか?

肺炎を引き起こす細菌はどこからくるの?

お年寄りの場合は、例えば寝たきりの方だと、歯みがきがキチンとできずに、口の中に食べ物の残りカスが溜まって、細菌が発生しやすくなります。

健常者の方でも口の中は、毎日キチンと歯みがきをしていると思っていても、歯垢が溜まっていたり、奥歯や前歯の裏側など、鏡では見えない場所に汚れが潜み、そこから細菌が発生しているものです。

特に口臭のある方は「細菌が口内にいる」と思っていても過言ではありません。

食べ物は口の中でしか処理されないので、よくかんだ後、きちんと食道を通って胃の中に入るという正常ルートを通ってくれれば問題はないですが、誤って気管に入ってしまうと、食べ物と一緒に細菌も肺に入り、「誤嚥性肺炎」の可能性が出てくるかもしれません。

まだ上手に食べられないお子さまも、よくかんで「ゴックン」と食べ物を飲み込めるよう、ママやパパが見守ってあげましょう。

また風邪やウイルス性の病気にかかっている時も、体内に細菌を持っている上、カラダの免疫力も落ちているので、特に食べ物を誤嚥しないように気を付けて、ゆっくりとよくかんで食事をしましょう。

健康な人はよくかんで!

お年寄りや小さなお子さまは食事内容に気を配る必要がありますが、特にまだ誤嚥の心配の少ない一般成人は、とにかくよくかんで、ゆっくりと食事をすることが大切です。

食べ物をよくかみくだいてから食べるメリットとしては、

  • 口の中でアミラーゼという消化酵素が分泌されて、食べ物の消化や吸収がよくなり、胃腸の負担が少なくなります。

  • 口の中でパロチンという成分も分泌されやすくなります。
    パロチンは赤ちゃんの唾液に多く含まれ、成長とともに分泌が減りますが、食べ物をよくかむという行為で分泌されます。
    「若返りホルモン」という別名もあるほどアンチエイジング作用も抜群です!

  • よくかんで食べると、同じカロリーのものでも、消化酵素が十分に分泌されるので、太りにくい体質になります。
    食べるのが遅い人(よくかんで食べている人)にスレンダーな人が多いのは、これも理由の1つです。

  • よくかんで食べると、レプチンという食欲を抑えてくれるホルモンが働きやすくなるので、ドカ食いを防げます。
    腹八分目の食事で満足できるようになります。

このように、よくかんで食べることは、ダイエットにもアンチエイジングにもつながりやすくなるのです!

お年寄りや小さなお子さま、そして病気の時は?

よく流動食を考える方もいらっしゃいますが、お料理が液状になっていると、誤嚥しやすい場合があります。

そのため、片栗粉やコーンスターチなどを用いて、お料理にとろみをつけたり、ゼラチンや寒天で固めたものを用いると誤嚥の予防になります。

最近は、スープゼリーなども登場していますね。

お肉料理はパテや軟らかいハンバーグ、つくねなどにするといいでしょう。

魚料理は煮凝りや、骨をぬいた白身魚や鮭をリゾットなどにすると食べやすいでしょう。

野菜は軟かく煮て、サイコロ型にカットしたものなら、かみ残しがあっても飲み込みやすいでしょう。
カボチャの煮物はのどに詰まらせやすいので、水分を多くして、ペースト状にするなどの工夫が必要です。

こういったお料理なら、風邪などで食欲がない時でも食べやすいですね。

 

どんなに忙しくても、1度の食事に20分ぐらいはきちんと時間を確保して、「誤嚥」を防ぐためにも、ゆっくりとよくかんで食べる習慣を身につけておきましょう。