「トキイロヒラタケ」という優しいサーモンピンク色をしたキノコをご存知ですか?
大型スーパーへ行くと、キノコの種類もビックリするほど多く、その中に、真っ白なキノコやトキイロヒラタケも並んでいます。
優しい色合いなので、さほど目立ちませんが、お料理に加えると上品な見た目を味がプラスされるでしょう。
トキイロヒラタケとは?
トキイロヒラタケは、朱鷺(トキ)という鳥の羽の色に似ていることから、トキイロという名前がついたキノコです。
キノコにもいろいろ品種がありますが、名前の通り「ヒラタケ」属になります。
この優しいトキイロのピンクは、キノコが成長しすぎると、だんだんと白くなり、退色していきます。
市場に並んでいるものは、まだ若い時期のもので、味も濃厚です。
多くの野菜類は、加熱すると、退色しますが、トキイロヒラタケは加熱後も、退色せず、サーモンと見まがうほどの存在感があります。
”トキイロ”優しい色合いの正体は?
トキイロヒラタケは、元々野生で生息しており、くわなやこなら、くぬぎ、くるみなどの広葉樹の切り株や枯れ木に、重なりあって発生していました。
トキイロヒラタケの独特の色合いは”色素タンパク質”によるもので、多くの野菜や果物ようなアントシアニン系の色素ではありません。
沖縄県立藝術大学の調べでは、絹との相性がよく、トキイロヒラタケから抽出した色素を絹織物の染色に使われるほど、高貴な色合いのようです。
トキイロヒラタケの栄養など
トキイロの色素成分からの栄養は、特にヒトのカラダへの影響はなさそうですが、他の栄養成分が健康や美容面を支えてくれるでしょう。
トキイロヒラタケも多くのキノコ類と同じくビタミンB群やビタミンDが含まれています。
ビタミンB群は疲労回復や脂質や糖質の代謝に必要で、ビタミンDは骨の健康やカルシウムの吸収などに必要な栄養素ですね。
また「ASK-1」という、抗酸化成分が含まれており、動脈硬化予防や血流の改善に役立つでしょう。
そして岡山理科大学の調べによると、メラニン色素を生成する酵素としてお馴染みの「チロシナーゼ」の活性を抑えるので、シミ予防や美白対策にもいいようです!
トキイロヒラタケは女性に優しいキノコと言えそうですね。
他にキノコ特有のβ-グルカンなどの旨味成分も含まれているので、スープやお鍋の出汁、パスタソースの旨味として活用できるでしょう。
トキイロヒラタケは鍋物やパスタに!
キノコ類は、独特の旨味成分があるので、イタリア料理などでは、スープやソースの出汁のような存在で使われていますね。
トキイロヒラタケにも、旨味成分がありますが、美しい色合いを、お料理にも活かしたいので、鍋物や、パスタなどで、姿と色合いそのものを楽しみましょう。
- 湯豆腐や海鮮鍋の付け合せに
- パスタやリゾットの具に
- 野菜炒めなどの炒め物に
- お肉や魚介類のメインディッシュの付け合せに
- 色合いを活かして、ポタージュスープに
- キノコご飯の具として
レシピに困ったら、舞茸やしめじと同じような使い方をするとレパートリーが増えるでしょう。
また醤油などの調味料は、せっかくの色合いが台無しになるので、少量にするか淡口醤油で代用するといいでしょう。
旬の時期にしか出会えない、美しいキノコなので、ぜひ見つけたら堪能してくださいね。