2017年も、さまざまなダイエット法が紹介され、昔よかったものがNGとなったり、その逆もあったりと、世界中の研究者たちが発表する論文にも目を見張るものがありましたね。
そんな中、先日、英国栄養士会より、2018年に避けたほうがいいダイエット法、ワースト5が発表されました。
近年の日本人が大いに利用しているダイエットも含まれるので、なぜNGなのか原因などを知っておきたいですね。
英国栄養士会が最も危険と警鐘するダイエットとは
世界的にも権威のある英国栄養士会は、近年、実行している人口が増えている5つのダイエットについて警鐘を鳴らしました。
それは、「生菜食ダイエット」「ケトジェニック・ダイエット」「アルカリダイエット」「ピオッピ・ダイエット(地中海式ダイエット)」の4つと、英国人女優のケイティ・プライスさんが考案するダイエット法のあわせて5つです。
プライスさんのダイエット法はここでは割愛しますが、他の4つは呼び方が違うだけで、実行している日本人も多いと思われるので、詳細を見てみましょう。
※参考:『英国栄養士会』2017年12月
生菜食ダイエットとは?
ベジタリアンの方は、やはりお肉や魚介類を食べないことで、ビタミンB12やビタミンD、タンパク質の不足が問題視されていますね。
ベジタリアンもいろいろありますが、特に生の野菜や果物ばかり食べるローフード系に警鐘です。
生の野菜や果物は、酵素のパワーでダイエット作用や健康効果があるとされていますが、本来なら加熱調理するものまで生で食べると、別の問題が出てきますね。
例えば、ほうれん草や小松菜などは、生のままだとシュウ酸の影響があります。
そしてジャガイモは極薄くスライスすると、生でも食べやすくなりますが、人類がジャガイモを発見して食用としてきた時から、ジャガイモは加熱調理していたものなので、DNAは拒絶反応を引き起こします。
また動物性食品を摂らないので、タンパク質が不足し、結果、糖質の摂取が増えることにもつながると指摘されています。
ケトジェニック・ダイエット
日本では「ケトン体ダイエット」とも呼ばれていますが、これも1種の糖質オフダイエットです。
ケトジェニックは果物や野菜、イモ類、豆類に含まれる糖質やデンプン質も厳格に避けなくてはならず、元々は「てんかん」という病気の治療食でした。
てんかんと診断された方は、厳格に守る必要がありますが、病気が改善された後も続けたり、健常な人たちがダイエット目的で取り入れると、以下のような副作用があることがわかってきています。
- 思考回路がぼやける
- 無気力になる
- 空腹感の上昇
- 睡眠障害
- 吐き気
- 消化不良
- 口臭
- 運動力の低下
などです。特に思考回路がぼやけると、集中力や記憶力が低下するので、お仕事に支障が出てきますし、ミスも多くなるので、注意したいですね。
糖質オフは短期間で減量できますが、目標体重に達したら、普通食に戻し、習慣化しないように注意しましょう。
アルカリダイエット
日本ではまだあまり聞き慣れないかもしれませんが、アルカリ性食品ばかりを選んで食べるダイエットのことです。
酸性の食品は、文字通り、酸化している食べ物なので、カラダに悪いと思われがちですが、全く抜いてしまうとカラダの健康が保てません。
アルカリ性と酸性は体内のpH値を保つのにどちらも必要です。
このダイエットに傾倒している人たちは、酸性食品を多くとると、骨粗しょう症リスクが高まったり、ガン予防になると考えているようですが、世界中で、そのような研究報告は出ていないので、単にアルカリ性食品を食べるとpHが高めになって健康にいい、と考えるのは無謀のようですね。
ピオッピ・ダイエット(地中海式ダイエット)
ピオッピとは、イタリア南部にある小さな村の名前で、世界一健康な人々が住む村として、地中海式ダイエットの発祥地と言われています。(諸説あり)
長寿者が多く、ガンの罹患者の確率も極めて低いので、この村の人たちの食事内容が話題になりましたが、この土地風土にあった食事内容であって、他国の土地風土の違う地域の人たちが、ピオッピ村の人々と同じ内容の食事をしても、必ずしも長寿やガン予防にはつながらないようですね。
今年も、そして2018年も引き続き、さまざまなダイエット法や、健康食材が話題になると思いますが、研究者たちの見解では、魔法のように誰にでも効くダイエットや健康法は、この世に存在しないということです。
何を選択するかは、生活者自身ですが、特定のことに良い食べ物でも、その陰で他の何かに悪影響していることもあります。
また個人差もあり、人によってはアレルギー食品もあります。
気分が悪くなった時や、イライラしやすい時は、何を食べたのかを思い出すと、その原因がわかるかもしれません。
流行のダイエットでくれぐれも、不健康にならないよう気をつけたいものです。