野菜&果物の美養栄養学

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ビタミンB1は免疫細胞を元気にして風邪予防に

ビタミンB群は現在、8種類が水溶性ビタミンとして存在していますが、その中でも、一番最初に発見されたビタミンB1についてクローズアップいたします。

近年の研究では疲労回復や脚気予防の他に、免疫細胞を元気にして、風邪予防にもなることもわかってきました。

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ビタミンB1は別名「疲労回復」のビタミン

「最近疲れやすくなった」と思ったら、筆者は”豚肉の生姜焼き”や”ぎょうざ”を食べるようにしていますが、豚肉には疲労回復作用のあるビタミンB1が豊富に含まれています。

ビタミンB1は同時に糖質をエネルギーに変える働きもあるので、甘いものを食べてしまった時にも重宝します。
糖質は、エネルギーに変換されずに、余ってしまうと、中性脂肪として蓄えられるので、ビタミンB1の摂取は重要なのです。

また余剰分の糖質は疲労物質が増えるとも考えられているので、ビタミンB1がカラダから不足しないよう注意したいですね。

ビタミンB1と免疫の関係は?

今年もインフルエンザが猛威をふるう時期となりますが、筆者の職場ではA型とB型の両方の罹患者が出ているようです。
外側からのケアとしてはマスクや手洗い、うがいが必須ですが、体内からも免疫力を上げておかなければ、完璧なケアはできません。

抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンA,C,Eも有効ですが、ビタミンB1は小腸の免疫組織に働きかけて、免疫力をUPすることがわかってきました。
ビタミンA,C,Eは、鼻やのど、目などの粘膜を健康に保つことで、外気から入るウイルスなどを撃退してくれますが、それでも強力な菌は、体内に入ってきてしまいます。

小腸には、全身から免疫細胞が集まってくる免疫組織がありますが、ビタミンB1が不足すると体内に入ってきたウイルスなどを撃退する抗体が減るので、免疫組織も小さくなってしまうのです。

小腸の免疫組織を万全に整えるためにもビタミンB1は不足させてはいけないビタミンなのです。

ビタミンB1を多く含む食べ物とは?

前述のように、ビタミンB1は豚肉に多く含まれますが、他にも、玄米や麦類の殻、うなぎの蒲焼、蕎麦にも含まれています。

豚肉の中でもヒレ肉の含有量が最も高くなっていますが、日常で使いやすい、豚肉の細切れやひき肉でもOKです。

お肉が苦手な方は、雑穀や麦ごはんをいただくようにすると取り入れやすいでしょう。

またビタミンB群は、単品で摂取しても作用しないので、サプリメントで摂る時は、ビタミンB1のみではなく、「ビタミンB群」とされた他のビタミンB2,6,12やナイアシン、パントテン酸、葉酸を含むものを選んでください。

江戸時代末期に流行した『脚気』はビタミンB1不足

江戸末期に江戸の街で大流行した『脚気』は、今でいう「ビタミンB1不足」でした。
このころから庶民も、白く生成された「白米」を食べられるようになったからだと考えられています。
地方の人たちはまだ当時、玄米を食べたり、白米の量が少なく済むよう、麦を混ぜて炊いていたので、玄米や麦などの殻にビタミンB1が含まれるため、脚気にならなかったのです。
飽食の時代となった現代では、通常に食事をしていると、ビタミンB1不足になることは少なくなりましたが、この時代は、ビタミンB1が豊富な豚肉はまだ食べられていませんでしたし、全般に魚介類でさえ、庶民の手に入りにくかったので、一汁三菜の食事でも大変なご馳走でした。
そのため、白いご飯とみそ汁が庶民のささやかな日常のご馳走だったのです。
当時は栄養学も知られていなかったので、白米とみそ汁だけではビタミンB1不足になり、玄米や麦の殻にビタミンB1が豊富だという知識をもつ人もいなかったので、脚気が大流行してしまったのですね。

その後、脚気は『江戸患い』という別名がつき、明治に入ってからも年々、脚気で命を落とす人が増えていき、第二次世界大戦後も続きました。

現代もまだ脚気患者が!?

昭和時代に入ると、栄養学や医学も発達して、白米食はビタミンB1(チアミン)不足ということもわかってきましたが、脚気による死者が1000人を下回るようになったのは、国の統計上、1950年代に入ってからでした。

昭和30年ごろまでは、一般家庭でも、白米にもち麦や大麦を混ぜて炊く「麦飯」がよく食べられていましたが、これは脚気予防のためと考えられています。
その後、一汁三菜も一般化し、豚肉なども食べられるようになったので、麦飯を炊く家庭は徐々に減っていきました。
現代では雑穀ブームや、健康食ブームの影響で、再度”麦飯”が見直されています。

しかし昭和50年代に入ると、海外から伝わったジャンクフードが原因でまたビタミンB1不足の人が増え、脚気患者が増加傾向となりました。

その後、カップラーメンなどのインスタント食品に、ビタミンB1が添加されるようになり、また減少傾向となりましたが、現在は、高齢者の中に脚気の症状を訴える人が少なからずいらっしゃるようです。

脚気の症状は、神経のしびれやムクミ、心不全などを起こします。

さいごに

脚気のお話は余談のつもりが、長くなってしまいましたが、ビタミンB1の歴史を語る上で大切なエピソードです。
数年前に放送されたドラマ『仁』でも脚気の大流行の様子が描かれており、実は現代の医師である主人公が「白米をご馳走とする食事はビタミンB1不足で脚気になる」と回想するシーンが印象的でしたね。

現代では脚気の心配は少なくなりましたが、疲労回復や免疫力UPにも大切なビタミンなので、不足しない食生活を送ってください。