数年前から人気の「乳酸キャベツ」、もうお試しになりましたか?
刻んだキャベツに塩を入れて密封し、一晩以上寝かせると、乳酸菌が発酵されるというもの。
新しい食べ方として人気ですが、日本は昔から漬け物文化があり、生の野菜に塩をかけて寝かせる手法は、伝統的なものです。
ヨーグルトがあわない方は、自家製の乳酸菌入り食材で、胃腸から元気にして、嫌な花粉症もブロックしておきましょう!
乳酸キャベツとは?
近年話題の「乳酸キャベツ」はドイツの「ザワークラウト」と大変似ていて、オシャレ感が人気となったのかもしれませんね。
日本には昔から、いろんな野菜の切れ端を集めて塩をかけ、1晩以上寝かせると発酵が進む「浅漬け」という漬け物がありました。
その中にはキャベツが入っていることも多く、「乳酸キャベツ」を早速お試しになった方は、懐かしく思われたのではないでしょうか?
乳酸キャベツは大き目の千切りにしたキャベツのみを使うので、洋食にも和食にもあいますね。
また、キャベツ特有のビタミンU(キャベジン)や、アブラナ科の植物に多い、イソチオシアネートも含まれるので、単品で「乳酸キャベツ」として様々な健康作用があることもわかってきました。
流行にちなんで、様々な研究報告も出てきていますね。
キャベツの発酵過程とは?
キャベツに限らず、生の野菜には酵素がありますね。
また、野菜にも、わずかですが、糖分が含まれており、加熱すると甘味を感じるのはそのためです。特にキャベツは加熱すると甘味が増しますね。
ただし、乳酸キャベツにする場合は、加熱すると酵素がなくなるので、生のままで使います。
生の野菜に含まれる糖分は、塩分が加わることで、酵素と共に、乳酸菌を発酵させ、その乳酸菌のエサとなるのです。
ザワークラウトやピクルス、キムチも日本でいう生野菜を発酵させて乳酸菌が生まれる「漬け物」となるわけですが、どれも、ほんのりとした独特の酸味があります。
これは、生野菜が発酵して乳酸菌が生まれ、その影響で酸味が生まれているのです。
どこの国の「漬け物」も発酵過程は、途中までは同じということです。
その後、ザワークラウトやピクルスでは酢を加え、キムチでは唐辛子を加え、日本漬け物では、糠や甘麹を入れて、ぬか漬けやべったら漬けなどにしていくわけです。
「乳酸キャベツ」は塩を入れて、発酵できたら、それで完了なので、浅漬けと同じ要領で、作る側にとっても簡単です!
乳酸キャベツの栄養価とは?
様々な漬け物を例に出しましたが、本題は「乳酸キャベツ」なので、栄養価は乳酸キャベツだけに絞ることにいたします。
東京農業大学の研究によると、乳酸キャベツの栄養価は、以下のものがあるようです。
- ビタミンC
- 乳酸菌
- ビタミンU(キャベジン)
- 食物繊維
そして期待できる健康作用は、
- 便秘の改善
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍の予防や改善
- アンチエイジング
ということです。
そして乳酸キャベツを作る時に、キャベツを太めの千切りにしますが、キャベツを「刻む」という刺激を与えることで、キャベツの細胞が壊れて、酵素の働きで、イソチオシアネートが産生されます。
このイソチオシアネートは、花粉症予防などでもお馴染みですね。
キャベツは、お料理の付け合せ用に買っても、余ってしまい、切り口がどんどんと黒くなります。
キャベツをムダなく活用するためにも、そのまま冷蔵庫に眠らせず、「乳酸キャベツ」として仕込んでから眠らせておくと、常備菜として大活躍するでしょう。
乳酸キャベツの作り方
乳酸キャベツの作り方は、有名料理研究家が考案したものや、TVや雑誌で報道されたものまで、様々ですが、筆者は、大学の『調理科学』や『微生物学』の教科書に出てくる乳酸菌の発酵過程を参考に、作っています。
用意するものは、キャベツと塩、大き目のジップロックです。
メイソンジャーや梅干し用のガラス製の密封容器がある場合はそれでもOKです。
- まず、キャベツの芯を切り落として、キャベツの重さを測ります。
- 塩はそのキャベツの重さに対して2%分だけ用意します。
例えばキャベツ500gであったら、塩は10gです。 - キャベツを大き目の千切りにします。厚さ5mm弱ほどです。
- 3をジップロックか密封容器に入れ、塩を入れ、空気を抜きながら密封します。
- 冷蔵庫で1晩以上寝かして出来上がりです。キャベツのシャッキリ感がなくなっていれば、乳酸菌が発酵された証となります。1週間以上寝かした方が美味しいでしょう。
冷蔵庫で約2週間ほど日持ちします。
冬場は常温でも大丈夫ですが、これからの季節は冷蔵庫に入れている方が安心ですね。
さいごに
これからの季節、「春キャベツ」も出回るので、それで乳酸キャベツをつくるのもいいですね。
乳酸キャベツは生の野菜なのに、発酵されていてるので、食味も栄養価も普通のキャベツと違ってくるので、不思議ですよね。それも塩を入れて数日寝かすだけなのです。
とても簡単な健康法ですし、キャベツをムダに余らせることもなくなるので、一石三鳥以上の活用法です。
今、冷蔵庫に眠っているキャベツがあれば、少量からでもいいので、乳酸キャベツにしてみましょう!