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毎日のプチ断食習慣で、腸と脳をクリーンに!

空腹感は慢性の痛みを軽減する?細胞の活性化も期待

数年前、ファスティング(プチ断食)が大流行しましたが、昨年あたりから「夕食だけ断食」や「朝食だけ断食」、「3日断食」などが復活してきましたね。
「空腹は危険?」という見解もありますが、例えば手術前や後、健康診断前に、「食事を抜くように」という指示がでますよね。
空腹時は、様々な体内の状態がリセットされたり、空腹時にしか現れない細胞やホルモンもあるので、そのメリットを知っておくと、不調の改善に役立つかもしれません。

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空腹時は炎症などの傷みを軽減する?

アメリカのペンシルバニア大学が今月(2018年3月)発表した最新報告によると、空腹時は、脳から「痛み」を抑える信号が出ることがわかりました。

それは、空腹時に頭痛や、肩こり、その他どこかの部位が炎症して「痛み」を感じる機能よりも、脳が「飢餓」を優先するからではないか? という見解だそうです。

捕捉しますと、長い人類の歴史の中で、ヒトは数千年(数万年)もの間、飢餓と闘ってきました。
日本も例外ではありません。
食生活が豊かになったのは、ここ60年ぐらいのことで、常に食べ物を求めて、狩猟、農業、遊牧など太古の昔から人々は知恵を絞って来たので、ヒトのカラダには「飢餓」を感じるホルモンがいつしか備わるようになったと考えられています。

しかし、「痛み」を感じないと、ストーブや高熱になった調理器具に触れても、気づかずにヤケドを負うことになりますし、胃腸が痛い、頭痛がする、などは体内の病気のサインでもあるので、「痛み」を感じることは、カラダの重要なシステムですよね。
ただ、「痛み」を感じすぎると、そのことに気を取られて、日常生活も仕事もままならなくなります。

空腹感は鎮痛剤なみの効力?

ペンシルバニア大学の研究では、約300個の脳細胞が「痛み」よりも空腹感を優先させることがわかりました。
空腹のマウスは、急性の痛みには反応しましたが、体内の炎症による慢性の痛みに関しては、反応が低かったようです。
その行動は、鎮痛剤を打った(服用した)時のマウスの行動と、類似していたということです。

一方の、栄養が十分とれているマウスは急性、慢性、どちらの痛みに関しても反応が高かったそうです。

空腹は鎮痛剤なみの効力があるとはスゴイですよね。
頭痛薬や胃腸薬が手ばせない人は、薬断ちするためにも、空腹感を利用すると痛みが和らぐしれません。

脳内では、空腹時にのみ活性化される「アグーチ関連タンパク質」というニューロンがあり、それが活性すると、体内の炎症などで起こる慢性的な痛みが緩和され、引き続き急性の痛みは、ちゃんと感じるようになるとのことです。
※参考:『細胞』2018.03.22

すなわち、空腹時は頭痛や胃痛、肩こりなどの「慢性的な痛み」を軽減し、一方のどこかにぶつけたり、熱いものに触れた時の「急性の痛み」には、ちゃんと反応してくれる、ということです。

空腹時は細胞の修復や、腸の働きもよくする!

ここからは、前述の研究内容とは違うお話しになりますが、空腹時のメリットをご紹介していきますね。

本格的なプチ断食は、医療機関や、断食道場では専門家がつくので心配は少ないですが、ご自身で取り入れると、終了後にドカ食いして、かえって胃腸を傷めたりするので、数時間など、期間を決めて乗り越えると、様々なメリットが得られるでしょう。

空腹時には、飢餓を知らせるオレキシンなどのホルモンがあり、これが活性化しすぎるとドカ食いや食べグセが治らなくなります。
しかし、ここを乗り切って、空腹を続けると、食べ物が体内に入ってこないので、オレキシンは、体内で傷んだ細胞を修復し始めます。
また、「貪食細胞」と呼ばれる細胞は、細胞の生まれ変わりで、古くなった細胞を食べて、排泄に向かわせます。貪食細胞も空腹時に活躍しやすくなります。

そして、十二指腸では、空腹時にモチリンというホルモンが出てきて、腸の収縮運動を促してくれます。
その時に、胃腸をキレイに掃除すると考えられており、便を直腸やS状結腸に運び、翌日の排泄を促す働きがあるのです。
残念ながらモチリンも、空腹時にしか現れません。

そして、空腹時は、記憶力が高まるという脳科学の報告もあります。
受験シーズンは終わりましたが、これから受験勉強や資格試験に挑む方は、夜食やおやつは食べず、空腹感を利用するといいでしょう。

さいごに

空腹時は、慢性的な痛みの軽減だけではなく、様々な健康や美容に嬉しいメリットがあることがわかりましたね。

人によっては、空腹感をガマンするのは辛いことかもしれませんが、食後3時間ほどで胃の消化活動は終わるので、それぐらいの食事間隔は空けられるのではないでしょうか?
無理のない範囲で、空腹になる期間を1日の中で作るようにすれば、あらゆる不調が改善されていくかもしれません。