腸の不調と共に、「万病のもと」と言われているカラダの器官に「副腎」があります。
文字通り左右の腎臓の上部に位置し、一部のホルモンを分泌している器官です。
日本ではまだ保険診療にはなっていませんが、アメリカでは喫煙や生活習慣病と並んで注意喚起が行われている「副腎疲労」を見てみましょう。
副腎疲労とは?
副腎疲労は前述の通り、日本の保険診療に入っていないので、健康診断では気づきにくい現象です。
特徴としては、慢性的にカラダがだるい、気力がない、精神的に落ち込みやすい、などのプチうつや疲労感が現れます。
原因は多くの場合ストレスです。
ストレス過多になると、副腎から「コルチゾール」というストレスと闘ってくれるホルモンが過剰分泌され、やがて、副腎の機能がおかしくなって、コルチゾールの分泌自体ができなくなるという状態になります。
コルチゾールが分泌されなくなると、自己免疫機能にもダメージを与えるので、甲状腺の病気を引き起こしたり、感染症にかかりやすい、ぜんそく、うつ病などを引き起こすと考えられています。※参考『エッセンシャル臨床栄養学 第8版』2016
副腎疲労はアンチエイジングにも影響
「若返りホルモン」の1つとして知られる『DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)』。近年、サプリメントも出ているのでご存知の方もいらっしゃるでしょう。
このホルモンも副腎で産生されます。
DHEAは男性ホルモンの「テストステロン」の材料にもなるので、ヤル気UPや向上心の向上につながります。
副腎が疲労するだけで、老化が進んでアンチエイジング作用が働かなくなり、男性ホルモンの分泌にも影響が出てしまうのです。
副腎が疲労するのは、ストレスもありますが、ストレス時に、ついつい食べてしまう食べ物にも原因があるので、まずはそれらをストップしてみましょう。
副腎疲労を招きやすい食べ物とは?
ヤル気がない時や、落ち込んでいる時は、手っ取り早く、エネルギーを確保したり、気分がシャンとするものを欲しますね。
代表的な食べ物が以下の通り。
- 菓子パン
- チョコレート
- スイーツ全般(ケーキ、クッキー、パフェなど)
- スナック菓子
- コーヒー
これらは一時的に、気分を高揚させますが、次第に量が増えていき、依存性が出てきます。
いつしか甘味依存症、カフェイン中毒になってしまうと、副腎を傷めてしまいます。
程度な量なら問題ないですが、くれぐれも摂りすぎないように注意しましょう。
副腎と食べ物の関係は過去の記事でもご紹介しているので、気になる方はお読みくださいね。
⇒ http://www.vege-bible.net/search?q=副腎
他にカラダに炎症を起こしやすい食品として、小麦粉に含まれるグルテン(腸に炎症を起こす)、乳製品のカゼインも控えておきましょう。
副腎を労わる食べ物とは?
副腎も臓器の1つなので、タンパク質が材料となっています。
高タンパクになるほど摂りすぎてはいけませんが、程度な量は必要です。
豚肉、鶏のムネ肉、青背魚、大豆製品を中心にいただくようにしましょう。
ただし、牛肉の赤身肉はヒスタミンなど炎症の原因となりやすい物質を含むので、肉質がピンク色の豚肉や鶏のムネ肉にすることがポイントです。
- 豚肉
タンパク質の他に、ビタミンB群が豊富で疲労回復に適しています。 - 鶏のムネ肉
疲労回復作用のあるイミダゾールジペプチドが含まれます。 - 青背魚
DHAやEPAは体内の炎症を抑える作用があります。 - 大豆製品
食物繊維も一緒に摂れるので、腸内環境をよくしてくれるでしょう。
他に、脂溶性ビタミンを多く含む緑黄色野菜(β-カロテンやビタミンE、ビタミンK)、オリーブオイルなども積極的にとり入れておきたいですね。
さいごに
ストレスのせいで、カラダを炎症させやすいスイーツ依存やカフェインの多飲は、よくあることですね。
嗜好品で本来なら「食べる楽しみ」となっている食べ物が、行き過ぎると不幸を招くことになるので、慢性的な不調を改善するためにも、副腎を労わる食べ物を日頃から取り入れておきましょう。
こうして見ると、やはり野菜類の摂取は、万病を救うカギとなりそうですね。