タンパク質食品をカラダに効率よく定着させる食べ方を、ここ数日の記事でご紹介しましたが、こと「心臓」にまつわる病気の心配がある場合は、肉類よりも種実類のタンパク質がいいことが、アメリカの最新研究でわかってきました。
心疾患の懸念がある場合は種実類のタンパク質に
アメリカのロマリンダ大学の研究報告によると、種実類からのタンパク質摂取は、心臓の健康維持に役立つようです。
研究では、2002年から2007年の間に、約81,000人の男女に対して、食事摂取頻度調査を行い、そのデータを解析しました。
その後、約9年の追跡調査の期間中に、約2,200名が心血管疾患で亡くなっています。
解析の結果、タンパク質をお肉から多く摂取していた人たちは、心血管疾患での死亡リスクは健常者よりも60%高いことがわかりました。
一方のナッツや種子など種実類からタンパク質を多く摂取した人たちは、健常者よりも心血管疾患での死亡リスクが40%低いことがわかりました。
ちなみに穀類や豆類、加工食品、魚介類、野菜や果物由来からのタンパク質摂取は、直接、心血管疾患の死亡リスクには起因していませんでした。
※参考『国際疫学雑誌』2018年4月
心疾患は油脂類だけでなく、タンパク質の質も重要?
心疾患は、これまで、食事から摂取する油脂類の影響で、肉類の悪玉脂肪(飽和脂肪酸)が問題視されていました。
しかしこの研究で、肉類のタンパク質の性質やアミノ酸の種類も影響しているのではないか、と推測されています。
今後、肉類のどのアミノ酸が心臓の健康を害してしまうのか、研究が進んでいくでしょう。
お肉が好きな人は分量を減らそう!
前述の研究は、アメリカで行われたものですが、日本人も食の欧米化で肉好きの人が増えているので、注意したいですね。
過去のブログで、動物性タンパク質と植物性タンパク質は「50:50」で摂るのが理想的と、ご紹介しました。
お肉ばかり食べていた人は、これだけでも摂取量が半減しますが、さらに肉類の摂取を減らして魚介類の摂取を増やしたり、植物性タンパク質も、ナッツ類の摂取を増やせば、心疾患のリスクが低減しそうですね。
好きなものを、完全にカットしてしまうのは、ストレスの原因となりますが、徐々に分量を減らして、他のタンパク質食品にも目を向けてみましょう。
さいごに
ナッツ類はタンパク質食品としても優れていますが、上質な油脂類も摂れるので、アーモンドなら1日10粒程度は食べておきたいですね。
ただ、酸化しやすいので、できれば生のものを選ぶといいでしょう。
お肉好きの人は、ナッツをトッピングしたサラダやソースをプラスするのもいいですね。