夜勤や残業などで、深夜まで仕事をしていて、日中に眠っているという人は太りやすく、糖尿病リスクも高まるようなのでご用心!
夜更かしを1日行うだけでも、体タンパクに異常が出てしまうようです。
夜型生活で、体タンパク質はどう変わる?
アメリカのコロラド大学の研究で、人間の血中タンパク質のレベルが、24時間でどのように変化するか、そして睡眠と食事が、どのように関係してくるかが調査されました。
対象となったのは、20代の健康な男性6名で、食生活、睡眠、活動、露光量をコントロールした環境で6日間生活してもらい、経過を観察したものです。
最初の2日間は通常のスケジュールで、日中に仕事をしたり食事をして、夜に就寝。
その後、夜型生活のシミュレーションとして、夜勤して、深夜に食事を摂り、日中に8時間の睡眠をとるという生活を送ってもらいました。
その間、対象者は、4時間ごとに採血して、1,129種類もの血中タンパク質が調べられました。
その結果、夜勤パターンに移行してすぐに129種類のタンパク質が昼夜逆転の変化が見られたということです。
夜型生活は糖尿病になりやすい?
体タンパク質の1種である「グルカゴン」は肝臓で血糖の上昇に関与するホルモンとなりますが、この調査で、対象者は、夜勤すると、通常とは逆に、夜間にグルカゴンのレベルが急増して、ピークが日中よりも大きくなったということです。
1日や2日程度なら、またもとの生活に戻せば、大きな問題につながらないようですが、これが毎日夜勤が続いていたり、毎日夜更かしをしていたり、そして昼夜逆転の生活を送っている人の場合は、この状態が長期間続くことになるので、糖尿病の罹患率が上昇する懸念があるそうです。
夜型生活は太りやすく、免疫力もダウン?
人間や動物には「繊維芽細胞成長因子19」という難しい名前の成長因子がありますが、これは、食事の後、カロリーを燃焼(エネルギー消費)する働きがあります。
しかし、夜型生活に移行すると、夜間に食事をするため、この成長因子の機能が弱まり、エネルギー消費量が10%も低下することがわかりました。
他に、24時間サイクルをもつ体タンパク質が30種類ほどあり、その中には免疫に関わるものもありました。
こうした体タンパク質は、午後14:00~21:00に活動するため、夜型の深夜には働いてくれないので、免疫力は総じて落ちていくようです。
※参考:『国立科学アカデミー論文集』2018年5月
さいごに
20代の頃は、試験やレポート、仕事などで、たまに徹夜することがあっても、すぐに元気が回復しましたが、30代後半以降になると、1日徹夜しただけで、元の体調に戻るのに1週間ぐらいかかることがありますね。
また、飲み会や女子会、そして友達との長電話やゲームなどで夜更かしをしてしまうと、すぐに体調がダウンしてしまうのも、日中活動してくれている体タンパク質が夜型生活で、機能してくれないからかもしれません。
職種によっては、昼夜逆転を余儀なくされている方もいらっしゃるかもしれませんが、できる限り、決まった時間に食事や睡眠をとるようにしてカラダのリズムを整えておきましょう。