一日一食×読書でダイエット脳を育てるブログ

毎日のプチ断食習慣で、腸と脳をクリーンに!

「嫌悪感」とは感染症を防ぐ本能か?英・衛生研究

日常、生活をしていると、何かの拍子に「嫌悪感」を持つことがありますね。
個人差はありますが、虫が飛んで来たのを避けたり、腐った食べ物、匂い(体臭、口臭)などなど。
この「嫌悪感」、実は人間がご先祖から受け継いだ感染症を予防する、本能だということが、最近のイギリスの衛生研究でわかってきました。

f:id:miwamomoka:20180711150749j:plain

人間が嫌悪感を引き起こす要因とは?

イギリスのロンドン大学、衛生熱帯医学大学院の研究では、嫌悪感の引き金となる背景を分析すると、感染症を避ける、自己防衛だということがわかりました。

研究では、約2,500人の人にオンライン上で「嫌悪感」を引き起こす、75の要因について調査したところ、

  1. 膿だらけの皮膚病変(体臭も含む)
  2. 虫が湧いている物体
  3. くしゃみの音
  4. 屋外での排便

に対しての嫌悪感が高いことがわかりました。

一番多かった「膿だらけの皮膚病変」をさらに展開して分析すると、衛生面の侵害を心配している人が多く、体臭のきつさについての嫌悪感も挙がっているそうです。

日本でも女性が男性の体臭のきつさにストレスを感じる「スメハラ」が社会問題になっていますよね。

お話しが逸れましたが、こうした結果をもとに分析を進めると、人類の先祖の習慣に行き着くことがわかりました。

先祖の過去の経験が現在の嫌悪感に?

公衆衛生の改善が図られはじめたのは、イギリスの産業革命の頃からだと伝わっていますね(諸説あり)。
今でこそ、飽食の時代と言われ、食べ物も豊かになり、殺菌や除菌が当たり前になりましたが、人類はつねに食糧難と闘っていました。

貧しい時代は、誰もがお腹を空かしていたので、腐敗した食べ物を食べてしまい、コレラが大流行したり、病院施設が整っていない時代は、病人を匿うことができず、ハンセン病の感染者が増えたりしました。

そして梅毒やペスト、天然痘など、「不衛生」が原因で起きた病気や感染症とも人類はいつも闘っていたのです。

そうして生き残った人たちのDNAには上記の1~4位に対する嫌悪感が刻み込まれ、今の私たちに伝わっているのだそうです。

嫌悪感は自己防衛システム

また、動物実験においても、寄生虫回避や匂いに関する嫌悪感が確認されており、ヒトを含む動物は、「嫌悪感」によって、本能的に原因物質を回避することで、感染のリスクを自ら最小限に抑える能力があるのだそうです。

この調査により、「嫌悪感」は自分を守るために構造化された自己防衛システムと言うことが明確になりました。

特にヒトの場合、疾患を回避する行動は、他の動物よりもハッキリしているようです。

例えば紀元前からペストと似たような感染症が存在していたいう記録があり、「嫌悪感」による感染症予防能力は、古来から人間に備わりつつあった自己防衛システムだと考えられています。

そして医療も、こうした先祖の苦しみから生まれた知恵で進化していったと考えられています。

女性の方が「嫌悪感」を感じやすい?

上記の調査では、女性の方が「嫌悪感」を強く示すこともわかっています。
それは、いつの時代も男性による危険な性行動で感染症に罹ったという歴史的背景があるからだそうです。
そして「嫌悪感」を感じにくい男性の方が、犯罪など危険な行動も起こしやすいのだそうです。
※参考:『英国王立協会哲学論文集・シリーズB、生物科学』

さいごに

本日は、食べ物や栄養のお話しではありませんでしたが、公衆衛生の観点から、最新のイギリスの研究発表をご紹介しました。

こうして見ると、上位4位にあがっていた「嫌悪感」に出くわすと、自ら、手を洗ったり、マスクを持ち歩いたり、衣類を殺菌したり、という公衆衛生的な行動に移りますよね。

こうした自己防衛システムが備わったのも、ご先祖が不衛生な時代を賢く生き抜いてくれたからなのでしょう。