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糖質オフは逆に糖尿病リスクが高まる?スイス・研究

低糖質・高たんぱく&高脂肪食を推奨する「糖質オフダイエット」。
ケトン体ダイエットや低炭水化物ダイエットなどの別名もありますが、元々は、糖尿病の治療食として考案された食事法でした。
しかし、世界的に大ブームとなったこの糖質オフは、逆にⅡ型糖尿病リスクを高めることが、スイスの最新研究で明らかになってきました。

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糖質オフはⅡ型糖尿病リスクを高める?

Ⅱ型糖尿病は、世界中で患者数の増加が懸念されている病気の1つですね。
しかし、未だに詳細な原因や改善策が解明されているとは言い難いのが現状です。

糖質オフダイエット(ケトン体ダイエット)は、炭水化物(糖質を含む)の摂取を徹底的に抑えて、高タンパク・高脂肪食とするのが特徴で、減量に有効だとといわれていますが、近年、世界各地の研究機関で、健康への悪影響が懸念され、注意喚起も促されています。

スイスのチューリッヒ工科大学の研究によると、この糖質オフダイエットは、この食事法を取り入れた初期の段階でもすでにⅡ型糖尿病のリスクを高めるかもしれないことがわかってきました。

インスリンと肝臓の機能が低下?

血糖値を制御するために、インスリンは血液中に放出され、肝臓に糖の生産を止めるよう、信号を送ります。
もしこのシステムに障害が起こったり、カラダがインスリンにうまく反応しなくなれば(インスリン抵抗性)、高血糖状態が続くようになります。

今回の研究で、糖質オフダイエットを取り入れることで、まさにこのシステムが障害され、肝臓におけるインスリン抵抗性が起きることが示されました。
肝臓で、通常濃度のインスリンに反応できなくなると、血糖値が高くなり、それだけⅡ型糖尿病のリスクが高まることになるのです。

マウスの実験結果では?

それがわかったのは、マウスを用いた実験結果からです。
マウスを2つのグループに分け、次の内容の食事を与えました。

【A】糖質オフの食事内容(低炭水化物・高脂肪・高タンパク質)

【B】脂質が多めの一般食

そのうえで、肝臓にインスリン抵抗性が起きるかどうかが検討されました。

その結果、【A】グループのマウスは、一見健康そうでしたが、実際は【B】グループよりも、グルコース不耐性の発現が急激だったということです。

原因は、インスリン抵抗性の発現です。
すなわち、インスリンによる肝臓のグルコース生産の抑制が弱まっているということなのです。
※参考:『生理学雑誌』

糖質オフはやはり健康的ではない

糖尿病は、誰もがかかる可能性を持っているので、懸念事項ではあります。
そして糖質オフダイエットは、早く減量でき、健康的であるという見方から、糖尿病予備軍ではない人も実践者が増えてしまいました。

しかし、こうした糖尿病の予防や改善食と思われた食事法に、インスリン抵抗性が見られ、逆に糖尿病のリスクが高まってしまったのです。

背景のプロセスは、まだまだ研究が必要なようですが、マウスはヒトと生体構造が似ているので、糖質オフはほどほどにしておいた方がよさそうですね。

さいごに

これは、糖質が高い方がいい、という研究報告ではないので、加糖飲料やスイーツ、お酒の飲みすぎを推奨しているわけではありません。
こうした糖質が高すぎるものを取り入れるのは、引き続き、控えた方がいいことになりますが、食事から必要以上に、主食を抜きすぎないよう、注意しましょう。