空腹ホルモンダイエット
●[実践編]3週目 “食べない”ダイエットがいいの?
■20日目 集中力が増す!ヤル気がみなぎってくる!?
空腹時間の確保にも慣れ、「1日ぐらい…」という甘い考えも自制心が効くようになり、何事においても、我慢強くなってきたのではないでしょうか? 数時間だけ耐える、というこのちょっとした努力の積み重ねが、太りにくい体質へつながっていくのです。
空腹時間を確保する習慣を継続していると、カラダは消化作業に集中することができるので、溜まっていた老廃物もなくなってきて、体脂肪を燃やし始めるころです。老廃物がなくなってくると、肉体疲労の原因物質「乳酸」も自ずと減っていくので、カラダのダルさもなくなり、疲れにくくなってきます。
そしてカラダが軽くなると同時に、思考もクリアになってくるのも特徴です。空腹ホルモンの「グレリン」は“食欲を旺盛にする働き”と“成長ホルモンの分泌”の他に“頭の働きがよくなる”というメリットも得られます。
グレリンはそのまま空腹状態が続いていると、脳の「海馬」に働きかけるので、記憶力も良くなるのです。今でこそ、飽食の時代と呼ばれ、食べ物に不自由しなくなりましたが、人類は古来より狩猟や自給自足で、食べ物を得るために命がけで、自らの空腹力とも戦っていました。その時に発達した知恵や機転の利く思考力は、グレリンが海馬に与えた影響だということが、近年の研究でわかっています。
日常生活でも、ランチを逃すほど忙しい時や、空腹を我慢して残業している時に、仕事や作業がことのほか捗った!という経験はありませんか? これもグレリンの影響が海馬に及んだ結果でしょう。逆に、ランチ後に眠くなる、夕食後に資格試験の勉強をしようと思ったけど、やらなかった…、というのは満腹感が引き起こしてしまう「怠惰」かもしれません。食べた後は胃の消化作業に血液が集中してしまうので、他の作業の効率が悪くなってしまうのです。どうしても、その日中にやり遂げたいことがある時は、空腹力を有効に使ってみましょう。
空腹というのは、ヒトのDNAにはピンチ(飢餓)と刷り込まれているため、逆境に強くなれるチャンスでもあるのです。空腹時間の確保は、ダイエットだけでなく、試験やプレゼン前にも活かしてみましょう。
【参考文献】
- 石原結實著『「空腹」療法』2011,KKベストセラーズP96-97