もし、皆様の周りに髪が少ないことで悩んでいる女性がいらっしゃったら、観察して見てください。ファストフード、ドーナツ、揚げ物、カレーやラーメンなどのB級グルメ、そして大のスイーツ好き! という方が多いのではないでしょうか?
これらの食べ物がいけないわけではありません。たまにいただいたり、適量を守れば問題ありませんが、サラダなどの野菜もプラスせずに、単品で毎度の食事がこれらなら、ダイエットだけでなく、美しい髪も生まれてこないのです。
頭皮にはタンパク質やコラーゲン、カルシウム、程度の脂質も必要です。しかし脂質が髪のキューティクルに左右するとはいえ、油分の多すぎる食事は良質な頭皮の脂質を造るとは限りません。頭皮もお肌ですから、オイリー肌になると抜け毛の原因にもなります。でも抜け毛は自然の摂理で、毎日100本程度は抜けるものです。それは新しく生まれ変わって伸びてくる髪もあるということです。
そこで本日は髪のヘアサイクルについてお話しします。
ヘアサイクルとは?
ヘアサイクルとは、一本の髪が生まれてから抜け落ちるまでの周期のこと。
ヘアサイクルは大きく分けて、3つの時期から成り立っています。
- 成長期:毛母細胞が活発に分裂して髪が生え、成長するまで(3~5年)
- 退行期:毛乳頭の働きが退化し、成長が止まる(2~3週間)
- 休止期:髪が抜け落ちる(3ヶ月)
ヘアサイクルは、個人差はありますが、女性で平均4~6年で一周すると考えられています。ヘアサイクルが正常だと、毛髪が生まれ、毛母細胞が分裂を繰り返して、髪は成長していきます。そして髪はだんだんと、しっかり、太くなっていきます。しかし、ヘアサイクルが乱れると、この成長期が短くなり髪が育たないまま退行期に移り、抜け落ちるのです。乱れたヘアサイクルを改善するには、休止期に入った髪を生やすことが重要です!休止期は3ヶ月ほどあるので、改善には最低でも3ヶ月以上は必要となります。
ヘアサイクルが乱れる原因
ヘアサイクルが乱れる原因はいろいろあります。加齢による、頭皮細胞の機能低下もその一つ。30代後半から髪のツヤやハリ、そしてコシがなくなるのもそのためです。また、女性の場合、女性ホルモンも大きく左右します。更年期以降、女性ホルモンが低下すると、男性ホルモンが優位になってしまうからです。男性ホルモンのテストステロンに、抜け毛を引き起こす働きがあるため、ヘアサイクルが乱れるのです。
男性ホルモンが優位な状態は、加齢だけでなく、若年層でもお肉中心で野菜を食べない、揚げ物やスイーツなど炭水化物大好き!という方も要注意です。わかりやすい例だと顔や背中にニキビのできやすい方は男性ホルモン優位なので、抜け毛も増えてくるかもしれません。
他には、睡眠不足、食生活の乱れ、過度のダイエット、仕事や人間関係のストレス、肩こり、冷え性、飲酒や喫煙などによる生活習慣も、血行不良を招き、頭皮の環境を悪化させます。血行不良になると、頭皮に十分な栄養が行き渡らないので、元気で美しい髪を生み出し、育むことができなくなるのです。
体質や遺伝によってもヘアサイクルの乱れは起こりますが、まずはヘアサイクルを乱す、前述の食習慣や、生活習慣を改めてみましょう。
ヘアサイクルを乱す食習慣と改善策
まずは、塩分を摂りすぎないよう、塩辛い味付けは控え、香辛料(スパイス)や香味野菜で味付けの工夫をしてみましょう。また塩分(ナトリウム)を排出するミネラルはカリウムです。カリウムはほとんどの野菜や果物に含まれているので、ファストフード店を利用する時も、近年ではサラダメニューができたので、プラスするようにしましょう。
糖質も控えめにしましょう。糖質はご飯やパンなどの炭水化物だけでなく、スイーツ、アルコール類も含みます。スイーツを食べなくても飲酒習慣があるなら、糖質過多になっているかもしれません。糖質はビタミンB群の摂取を増やすと、体内で糖質代謝されやすくなります。キノコ類の摂取も増やしておきましょう。
そして脂質過多の食事も厳禁です。揚げ物好きの方は、まずは唐揚げやコロッケを炒め物や焼き物にチェンジすることから始めましょう。スイーツ類の揚げ物は、糖質過多と脂質過多、ダブルで頭皮にいい影響は与えないので、たまのご褒美として、毎日食べるクセはなおしておきたいですね。
髪の休止期は約3ケ月。もし上記のような生活習慣がある方は、今日からでも改めると、3ケ月後には、ヘアサイクルが正常に向かうかもしれません。
野菜を食べる習慣がない方、そしてスーパーに行っても何をどれぐらい買っていいのかわからない!という方は、宅配野菜などを利用するのもいいでしょう。
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