今月の連載『美髪を造る食生活』も後2日で終わりになります。頭皮や髪のトラブルとして代表的なものをあげ、その原因と食事対策をご紹介していきますね。
本日は、「白髪の予防&改善食」についてです。
白髪の予防&改善食
◆原因
日本人をはじめ、中国、韓国などのアジア圏の人たちの髪は黒いですね。その理由はメラニン色素です。メラニンと聞くと、お肌のシミを造る元凶として悪いイメージを持つ方も多いことでしょう。しかし、髪を黒々とさせ、白髪を防ぐには、頭皮でメラニン色素が作用しなければいけないのです。
メラニンにも種類があります。
- 黒~茶褐色のユーメラミン
- 赤い褐色~黄色のフェオメラニン
この2つが代表的です。日本人などのアジア圏の人たちは、ユーメラミンのメラニン色素を持つ人が多く、そのため、髪が黒く見えるのです。
メラニン色素は、毛根中の毛乳頭に存在するメラノサイトという部分で造られます。メラノサイトで、チロシンというアミノ酸が、酵素に分解されてメラニン色素となるのです。
しかし、頭皮の状態が不健康で、老化やストレス、そして体調不良などで、アミノ酸の量が減少すると、体内酵素の働きも衰えて、メラニンを造りだすことができず、生産を休んでしまうのです。そのままメラニンを造らずに髪を生み出すと、色素のない髪、すなわち「白髪」になるということです。このカラクリを知っておけば、メラニン色素が頭皮上で常に造りだされるよう、生活習慣を改めてみればいいことがわかってきますね。
◆食事対策など
メラニンを生成するには、銅と亜鉛を食品から摂取しておくことがポイントです。銅と亜鉛は体内で不足すると、人間、自らが持つ抗酸化成分「スーパーオキシドディスムターゼ」という物質も生み出せれません。自己免疫力UPのためにも銅と亜鉛は必要なのです。
- 銅を含む食品
タコ、レバー、アーモンドなどのナッツ類 - 亜鉛を含む食品
牡蠣、ホタテ、あさり、肉類、納豆など
これから冬に向かって鍋物のシーズンなので、牡蠣やホタテは鍋物の具として活用しそうですね。肉類は食べ過ぎると男性ホルモンが優位になって抜け毛の原因となりますが、1日100g程度を目安に取り入れましょう。
食事対策では、銅と亜鉛だけを食べれば髪が黒々する、というわけではありません。バランスよく、頭皮や髪の基となるタンパク質食品、そして栄養分が体に効率よく吸収されるよう、野菜からビタミンやミネラルを補給しておきましょう。鍋物は、豊富な野菜と魚介類や肉類が一緒に頂けるので、理想的ですね。洋食ではシチューも豊富な野菜と一緒に魚介類や肉類を煮込むのでオススメです。
食事対策だけでなく、睡眠不足や、仕事などのストレスにも気を付けましょう。
また、頭皮には他のカラダの部位と違い、筋肉がありません。よって頭皮は頭蓋骨の上で、あまり動く機会がないのです。人間のカラダに程度な運動が必要なように、頭皮も動かす機会を与えてあげましょう。日中も、シャンプーのときのように、頭皮を手で覆い、指の腹で頭皮を優しくマッサージすると血行が良くなり、食事から得た栄養成分が毛根まで届くようになるでしょう。