今月の新連載は『免疫力と野菜の関係』をお届けしています。昨日のブログ『 免疫力と野菜の関係3~免疫力を低下させる悪玉サイトカイン~その予防食とは?』の中で、予防食となるのは、ファイトケミカルを含む食品と プロバイオティクス食品ということで、それらに該当する食品をご紹介しました。本日は、ファイトケミカル食品の一つでもある”ごぼう”をメインに、そしてプロバイオティクス食品としては、ちんげん菜の浅漬けを使ってレシピをご紹介します。
本日の野菜のお話は「ごぼう」です。
原産国は中国説とヨーロッパ説があります。諸外国では、ごぼうは主に薬の原料として使われており、食用としているのは、日本、韓国、台湾のみだそうです。日本では中国から弥生時代頃には伝来していたようですが、ブレイクしたのは江戸時代に入ってから。江戸時代に入ってから現代の”ブレイク”という言葉がふさわしいほど人気が出て、「金平ごぼう」をはじめ「叩きごぼう」などの定番の和食のお惣菜、そして和菓子類では「ごぼうの砂糖漬け」「茶菓子」をはじめ伝統の茶道での菓子「花びら餅」まで、このころに誕生しています。
ごぼうは、ファイトケミカルの一種”クロロゲン酸”を含み、抗酸化作用で注目の成分です。免疫細胞は70%ほどが腸内にいるので、免疫力UPには美腸がキーポイントでしたね。ごぼうには、食物繊維をはじめイヌリンやオリゴ糖など、腸内をキレイにする作用のある有効成分も含まれます。
免疫力低下を予防!?~ごぼう入かやくご飯とお漬物
【材料】お米2合分
- 米 2合
[具] - ごぼう 1本(約120g)
- 鶏肉 200g
- にんじん 60g
- 生姜 30g
[調味料A]まぜておく - 醤油 小さじ4
- みりん 小さじ2
[調味料B]まぜておく - 醤油 小さじ1
- 塩 小さじ1/2
- お出汁[水でも可] 1.5カップ(270cc)
*具材から水分が出てくるので、お出汁の量は少なめに
[ちんげん菜の浅漬け] - ちんげん菜 1株
- ごま油 大さじ1
- 食塩 小さじ1/2
【作り方】
- ごぼうは皮を取りすぎないように、まるめたアルミホイルや包丁の背で、皮をこそげ落とすようにする。その後、2cm程度のささがきにし、水を張ったボウルに入れていく。水を3回ぐらいかえ、アクをとっておく。
- にんじんは皮ごと、ごぼうの長さに揃えて千切りにしておく。生姜は皮ごとみじん切りにする。鶏肉は一口大にカットしておく。米はといでおく。
- 1と2の[具]の材料をひとまとめにし[調味料A]を入れてよく和えておく。[調味料B]も別のボウルに入れて、よく混ぜ合わせておく。
- 炊飯器の窯に米を入れ、準備した3を全て入れ、お手持ちの炊飯器の”炊き込みご飯”モードで炊く。普通炊飯でもOKでも。
*炊飯器によって各モード名が違うのでご了承ください。 - かやくご飯が炊きあがる待ち時間に、ちんげん菜を幅5mmほどの斜め切りにし、食塩をかけて、30分ほど寝かせる。水気をよく絞り、ごま油をかけておく。時間があれば1晩寝かせると、乳酸菌が発酵されて免疫力UPになります。
- かやくご飯が炊きあがったら、5と共にお召し上がりください。
【美養効果】
ファイトケミカルはごぼうのクロロゲン酸だけでなく、にんじんや生姜にも違う種類のファイトケミカルが含まれます。皮と実の間に多く含まれることが多いので、皮はむかずにそのまま使用するか、少し残す程度に処理しましょう。
余った、かやくご飯はおむすびにして冷凍室で保存しておくと、忙しい時の保存食として便利です。忙しくてご飯を食べる時間がない時でも、このかやくご飯なら、お米から炭水化物、鶏肉からタンパク質や脂質、ごぼう・にんじんで野菜摂取そして食物繊維、ファイトケミカルが摂取できます。もちろんバランスよく、他の副菜や主食として魚料理を一品つけたいところですが、白米のみのおむすびだけでは免疫力はUPしないので、ご飯ものも工夫してストックしておきたいですね。
ちんげん菜の浅漬けはなるべく1晩置くのが理想です。野菜に塩分を入れて1晩置くと、乳酸菌が発酵するので、ご自宅で簡単にプレバイオティクス食品が完成するのです!ファイトケミカル類や、ごぼうに含まれるオリゴ糖類はプレバイオティクス食品と一緒にいただくと、免疫力UPがパワーアップするので、おススメです。