今月の新連載は『免疫力と野菜の関係』をお届けしています。昨日のブログ『 免疫力と野菜の関係4~自然免疫は毎日ガン細胞と闘っている~体内の粘膜を守る食べ物』の中で、粘膜を丈夫にする食材として、ビタミンACEを含む食材と タンパク質食品+ビタミンC+鉄分の組み合わせ、ネバネバ食品いうことで、それらに該当する食品をご紹介しました。本日は、主にネバネバ野菜の代表格でもある「里芋」をメインにしたレシピをご紹介します。
本日の野菜のお話は「里芋」です。
日本には紀元前に中国から伝来され、弥生時代の稲作が始まる前までは里芋が主食として食べられていたようです(諸説あり)。さつまいもが伝来されるまで、「芋」と言えば里芋のことを指し、和食や郷土料理にも数多くのレシピが残っています。「筑前煮」、「けんちん汁」、「雑煮」、「芋の煮っ転がし」などは江戸時代には定着していたと考えられている里芋の代表料理となります。
里芋のネバネバ成分の一つ「ガラクタン」には風邪やインフルエンザといった細菌が体内に入るのを防ぐ働きが期待できます。
もう一つのネバネバ成分は「ムコ多糖類」は、皮膚の真皮層にあるヒアルロン酸量を増やす働きがあるので、寒さによる肌の乾燥を防いでくれるでしょう。またムコ多糖類には、鼻や目、のどをはじめ、胃や腸の粘膜を健康に保つ効果が期待できるので、ウイルス予防や健胃作用などにもピッタリな根野菜ですね。
粘膜を健康に!里芋など冬野菜のけんちん汁風
【材料】2人分
- 里芋 小4個
- ごぼう 細めのもの1本
- 大根 輪切りの状態で1cmほど
- えのき茸 1/8株
- おろし生姜 小さじ2
- 春菊の葉 1株程度(トッピング用)
- ごま油 小さじ1(仕上げ用)
[調味料] - お出汁 400cc
- 淡口醤油 大さじ2
- みりん 大さじ2
【作り方】
- 里芋は皮をむいて一口大に切り、ぬめりがある程度なくなるまでよく洗う。
- ごぼうは皮を包丁でこそぎ落として、ささがきにし、水をはったボウルにつけていく。その後、よく洗ってアクをとっておく。
- 大根は皮ごと、一口大にカットしておく。おろし生姜は絞って生姜汁にしておく。
- 鍋に水をはり、里芋、ごぼう、大根、えのき茸を入れて下茹でする。(中火で水から10~15分ほど茹でる)茹であがったらザルにあげておく。
- 別のお鍋に[調味料]の材料を入れて、沸騰させる。沸騰したら中弱火にし、下茹でした野菜類が熱いうちに入れる。10分ほど煮込み、最後に生姜汁とごま油を入れ、全体になじませたら出来上がり。
- お椀に盛り、手でちぎった春菊の葉をトッピングする。
【美養効果】
里芋の他に、えのき茸も加熱するとぬめりが出ますが、それもムコ多糖類によるものです。ムコ多糖類入りの食材を使うと、片栗粉を入れなくてもトロミのある汁物になるのもいいですね。里芋と一緒に、大根、ごぼう、生姜と4種類の根菜類が入りますが、カラダを温める作用もあるので、寒い日の夕食にもピッタリです。ごぼうはクロロゲン酸が免疫力UPの作用があるので、ネバネバ食材で粘膜を守り、ダブルでカラダを病原菌から守ってくれるレシピとなるでしょう。トッピングした春菊にも殺菌作用があるので、たまには定番のネギの代わりに代用してみましょう。