『免疫力と野菜の関係』では、毎回、様々な栄養成分や野菜をはじめとする食品をご紹介してきました。野菜はビタミンやミネラル、ファイトケミカルなど免疫力が高まる成分も多く含まれていますが、人間が生きていくエネルギーのもとを大量に摂取することはできません。
やはり、肉類、魚介類などの動物性食品から摂取するタンパク質が免疫細胞を造る上でも必要です。またカラダの各器官、そして外部から侵入するウイルスやばい菌を跳ね返してくれる粘膜を強化するためにも、必要なのです。
しかし、肉類や魚介類は、特に好きな方は、そればかり食べる傾向があります。動物性タンパク質は、必要ではありますが、それだけでは、細胞や各器官の粘膜を造れません。それらを造る材料ではありますが、野菜類から得られるビタミン、ミネラル、ファイトケミカルなども揃えておかないと、せっかくの材料も活かしきれないのです。
繰り返しになりますが、動物性タンパク質はカラダを造る上でも、細胞自体の形成にも重要な栄養素です。
しかし、太古の昔にさかのぼると、農耕民族であった日本人は基本的に腸内に肉を分解する酵素を持っていないと考えられています。
お肉を代謝する過程で出る毒素は発ガン性物質をつくり、腸内を悪玉菌優位の状態に変えてしまいます。
そのため食事から肉類を摂取する必要はあるのですが、食べ過ぎに気を付ける必要もあるのです。
お肉を食べる際は、必ず野菜も一緒に摂ることが重要です。
野菜とお肉の割合は2:1が良いとされています。
私も幼少のころより、母や祖母に「お肉を食べる時は倍量の野菜を食べなさい」とよく言われたものです。
この「お肉の倍量の野菜を食べること」は、そうすることにより、腸管免疫のストレスを軽減する食生活となり、それを習慣にすることが大切となってくるのです。
肉食に偏ってしまうと、腸に70%も分布している免疫細胞の司令塔である「樹状細胞」の負担となります。
そして「腹八分目」という昔から伝わる食事の摂り方は理にかなっており、満腹にならないよう、飢餓状態に近づけておくことで、長寿遺伝子を呼ばれる「サーチュイン遺伝子」が活性化するのです。
満腹になるまで食べるのは、胃や腸、さらに腸管免疫に大きなストレスを与えることになります。
そうすると免疫システムが低下し、弱った身体が元に戻りにくくなるのです。
これが、風邪が長引く、ケガがなかなか治らない、ウイルス性の疾患や食中毒にあたりやすい、、、など負のスパイラルに陥ることに!
野菜と肉のバランスを保ち、腸内環境を整えることが免疫細胞の司令塔「樹状細胞」の活性化にもつながり、カラダ全体の免疫力UPにもつながるのです。