今月の連載『免疫力と野菜の関係』も終わりに近づいてきました。
終盤は、免疫力を高める野菜をご紹介していっています。
本日は、免疫力UPとともに、体内に溜まってしまった老廃物や毒素を殺菌したり、毎日5000個ほど生まれてしまう、細胞のミスコピー”ガン細胞”ができるの抑制する作用のある「ネギ」についてお話しいたします。写真は京都の伝統野菜「九条ネギ」です。
*ガン細胞についての詳細は過去記事をお読みください。
殺菌作用
ネギには、辛味成分や香りのもととなる成分に硫化アリルやアリシンが含まれています。
またネギ特有の成分「ネギオール」も殺菌作用があることで知られています。
これらの成分は、ネギの青い部分よりも、白い部分に多く含まれます。
白ネギや根深ネギ、そして九条ネギなら、下部1/3ほどの白い部分です。
ネギを刻んだ時に、ネギの成分で涙腺を刺激して涙が出てきますが、これも硫化アリルやアリシンによる作用。目に入って涙が出てくるので、嫌なイメージがあると思いますが、目の表面の殺菌だと思えば辛くなくなるでしょう。
*ただし、この成分が「目にいい」という確証はないので、目の食毒目的でネギ汁を使用しないでください。
生の刻みねぎをたっぷりと入れたみそ汁やラーメンなどは美味ですが、人によっては辛味成分が鼻に来て、苦手と言う方もいらっしゃいますね。この刺激は喉や鼻の粘膜を殺菌しているので、免疫力UPにつながります。
加熱後のネギはオリゴ糖の作用で甘くなり、また別の味が楽しめますが、この殺菌作用やデトックス作用は生のネギの方が効力が高いと考えられています。
ビタミンCやβ-カロテン
ネギの青い部分は緑が濃く、β-カロテン量が多いので、緑黄色野菜に分類されます。β-カロテンは粘膜を丈夫にする作用があるので、外部から侵入したウイルスや細菌から体内を守る働きがあります。
そして免疫細胞の活性化にも必要なビタミンCも多く含まれます。
これらのビタミンはネギの白い部分よりも青い部分に多く含まれます。青いネギは青ネギ、葉ネギ、あさつき類、九条ネギなどです。
昔から、風邪をひいたときにねぎ湯を飲むという風習が日本にはありますが、これは理に叶っていると言えるでしょう。
ビタミンCは柑橘類に多いイメージがありますね。
しかし、風邪や扁桃腺、ぜんそくなどで喉を傷めてしまうと、柑橘類には「咳をひどくする」作用もあるので、こと、喉が腫れている時には摂取しない方がいい食べ物です。そんな時にもビタミンCは必要ですが、ネギから摂取するといいでしょう。
ネギには喉の殺菌作用もありますし、風邪やウイルス、そして体内老廃物の除去と、免疫細胞が活性化しやすい体内環境にしてくれる野菜と言えるでしょう。