C型肝炎は、30歳以上の成人では100人中3.4人の割合で罹患者がいるという統計が出ており、よく聞く病名ですね。C型肝炎もウイルス性の感染症になります。
C型肝炎とは?
C型肝炎ウイルスによる感染症で、感染経路は、血液感染です。日本では過去に、ウイルスが入っている血液製剤を輸血したために、感染者が200万人ほどいると考えられています。現代は、衛生管理や医療の発達に伴い、輸血に関しての危険度はかなり低くなっています。また、母子感染などのリスクも少ない感染症です。
不衛生な器具でのピアスの穴開けや刺青の作業でも感染するケースがあります。
C型肝炎は、症状がおさまったとしても、ウイルスが完全に排除されず、60%ほどが体内に残ると考えられています。数十年の歳月をかけて、肝硬変や肝ガンなどに発展するケースもあります。そのため、一度、C型肝炎にかかった人は、症状がおさまっても、定期的に医療機関を受診して、ウイルスの増殖を抑える必要があります。C型肝炎後、肝ガンに発展して、毎年3万人以上の方の死因となっているので、気を付けたいですね。
肝臓は、感染していたとしても、痛みを感じにくく、自覚症状がないまま何らかの病気にかかっていることもあります。倦怠感や、食欲不振、黄疸など、もしや?と思われる症状があれば、早めに医療機関へ相談しましょう。
C型肝炎の症状と対応
2週間~6週間の潜伏期間があり、倦怠感、食欲不振、黄疸などが現れます。基本的に医療機関に通院して、抗ウイルス薬を用いて、治療することになります。慢性化した場合は、検査と治療を継続的に行う必要が出てきます。
C型肝炎を悪化させる食べ物
- 鉄を控える
一般に、肝機能をよくする食べ物として、あさりやしじみが挙げられますが、ことC型肝炎の場合は、あさりやしじみには鉄が含まれるので控えてください。鉄は他に、レバー、鮪(まぐろ)、牛肉の赤身に含まれています。また野菜など植物性の鉄は非ヘム鉄で吸収率が低いと言われていますが、ほうれん草、モロヘイヤ、小松菜など鉄の含有量の高い食品は、C型肝炎の場合は控えましょう。
また大豆製品はC型肝炎で傷んだ肝臓を修復するのにタンパク質が必要となるので、摂りたい食品ですが、納豆は鉄を含むので、避けておきましょう。
鉄は、冷え予防や風邪など他の病気や感染症では重宝されるミネラルだけに、不思議に思う人も多いと思いますが、C型肝炎の懸念がある場合は、必ず控えてください。
C型肝炎の予防や改善に必要だと思われる食品・栄養成分
- タンパク質
鉄の含有量が少ないタンパク質食品を進んで摂りましょう。
鶏肉(ささ身、むね肉)、豚肉、豆腐、牛乳、チーズ
- ビタミン類
鉄の少ない野菜や果物から摂取しましょう。
淡色野菜全般(キャベツ、レタス、きゅうりなど)、根菜類(にんじん、さつまいも、れんこん、じゃがいも、こんにゃくなど)、トマト、果物類
- 亜鉛
あさりやしじみは鉄を含むので、亜鉛が含まれていても避けてください。海苔、ひじき、大豆などから摂取しましょう。
蒸し大豆とひじき、にんじんやこんにゃくなどを煮た、五目豆なら、大豆からタンパク質と亜鉛、ひじきから亜鉛、にんじんからビタミンが摂れますね。市販品もあるので、C型肝炎が疑わしい方は、ご参考になれば幸いです。