職場や学校の健康診断の結果が「異常なし」であっても、体がフラフラしたり、暑さに弱い方は「隠れ貧血」の可能性が大です。健康診断は重大な病気の前触れを発見するのに役立ちますが、些細な体調不良は原因が見つかりにくいことも多々あります。
詳細検査は保険適用外なので数万円かかりますが、数千円で受けられる保険適用のある検査で鉄がどのぐらい欠乏しているかがわかります。
一般に男性はカラダの構造上、鉄が不足しにくいですが、女性は月経などもあり鉄が不足しやすい体質なのです。鉄は貧血や冷え性など、ダイレクトに不調につながるので、もしや?と思われる方は、早めの検査が必要です。
健康診断の結果が良くてもカラダがダルい原因
ほとんどの人が、職場や学校の健康診断で「異常なし」の通知を受けて安心していると思いますが、それは、国が定めた保険適用の検査項目の数が少ないだけのお話です。詳細検査をするには『遅延型フードアレルギー』や『分子整合栄養医学』などの血液検査がありますが、保険適用外なので数万円するのが現状です。詳細を知りたいのに、血液検査だけに5万円!?となると、しり込みしてしまいますよね。
そこで、保険適用の数千円で受けられる「血清フェリチン値」検査にトライしてみましょう。内科などで「貧血気味なので『血清フェリチン値』検査を受けたい」と申し出ると対応してくださいます。医院にもよりますが、3000円前後です。
「血清フェリチン値」とは
「血清フェリチン値」の数値は、いずれも女性ですが、
- 20代 ⇒ 50~80ng/ml
- 30代,40代女性 ⇒ 80ng/ml
- 50代以上 ⇒ 100ng/ml
が通常範囲と言われている、鉄不足がわかる血液検査です。
(参考:保険科学東日本総合研究所より)
不調の原因はあれこれと健康食やサプリメントを試す前に、医療機関での血液検査で自分の真実を知るのが早道でしょう。
特に20代前半は月経などで大量の鉄が奪われるので、検査結果で50ng以下だと、「貧血」ということになります。そうすると体調だけでなく、血色も悪くなり、毛穴が開いて肌がゴワゴワとした感じになり、美容面にも影響が出てきます。自分が「貧血」かどうかは知っておきたいところですね。
鉄不足は血が薄くなりモテなくなる?
女性の人生は「鉄不足との戦い」と言われるほど、鉄は女性にとって大切な栄養成分です。病院で『鉄欠乏性貧血』と診断されると、保険適用の「Fe(鉄)」と明記された鉄材を処方されますが、これらは植物由来の鉄材です。植物由来の鉄は「非ヘム鉄」と呼ばれ、鉄の含有量が高くてもカラダへの吸収が悪いので、お肉や魚介類に含まれる「ヘム鉄」と一緒に摂ると、吸収が高まります。また鉄はビタミンCを一緒に摂ることによって、体内で有効に働くので、野菜や果物からのビタミンC摂取も必須です。サプリメントを利用する時は「ヘム鉄」と書かれたものを摂取しましょう。
鉄が不足していると、何事もヤル気が出ない、異性に興味が持てない、気分がふさぎがちでうつ病になりやすい、といった状態に陥る場合もあります。(日本診療内科学会調べ)異性に興味が持てないと、婚期を逃すことにもなりかねないので、健康や美容だけでなく、人生設計のためにも、鉄は不足しないように気を付けたいですね。
「ヘム鉄」の含有量が多い食品ランキング
先述したように、鉄分補給と言っても、ほうれん草やプルーンなどに代表される鉄だと「非ヘム鉄」でカラダへの吸収が悪いので、それらの食品も取りつつ、肉類や魚介類も進んで摂っておきましょう。以下、いずれも100g中の鉄含有量
●肉・卵類ベスト10(ヘム鉄)
- レバー(豚肉)13.0mg
- レバー(鶏肉)9.0mg
- みの(牛) 6.8mg
- ビーフジャーキー 6.4mg
- 卵黄 6.0mg
- はつ(鶏)5.1mg
- 鴨肉 4.3mg
- レバー(牛肉) 4.0mg
- はつ(牛肉) 3.3mg
- 牛ヒレ肉、牛タン、砂肝(鶏肉)、ラム 2.5mg
●魚介類ベスト10(ヘム鉄)
- 干しエビ 15.1mg
- ほや 5.7mg
- しじみ 5.3mg
- ほっき買 4.4mg
- あさり 3.8mg
- みる貝 3.3mg
- とり貝 2.9mg
- すじこ 2.7mg
- ほたて 2.2mg
- はまぐり 2.1mg
●野菜ベスト10(非ヘム鉄)
- 切干大根(乾) 9.7mg
- パセリ 7.5mg
- とうがらし 6.8mg
- えだまめ 2.5mg
- サラダ菜 2.4mg
- だいこん(葉・ゆで) 2.2mg
- 小松菜、そら豆 2.1mg
- 水菜 2.0mg
- サニーレタス、グリーンピース 1.8mg
- しそ、菜の花 1.7mg
……………
ほうれん草 0.9mg
●その他(非ヘム鉄)
- あおのり(乾) 74.8mg
- ひじき(乾) 55.0mg
- 焼きのり 11.4mg
- アマランサス、だいず(乾) 9.4mg
- 高野豆腐(乾) 6.8mg
- カットわかめ(乾) 6.1mg
- あずき(乾) 5.4mg
- 油揚げ 4.2mg
- とろろこんぶ 3.6mg
- 納豆 3.3mg
野菜類はビタミンC補給のためにも、鉄の多い食品と一緒に食べておきたいですね。鉄は血液の源なので、生きていく上でも欠かせない栄養素。くれぐれも不足しないよう、上記リストの食品で補ってください。