日本人の高血圧患者数は厚生労働省によると2014年度で約1,011万人です。そしてその予備軍は推定4,000万人とも予測されています。近年、機能性食品として「血圧を下げる」と謳った製品が多く出回るようになりましたが、本日クローズアップするのは「サーデンペプチド」です。
サーデンペプチドとは?
サーデンペプチドはイワシに含まれるタンパク質を抽出した後に精製された数種類のペプチドから成っている成分のことで、高めの血圧を正常値にまで下げ、そして維持する作用が認められ、機能性食品として登録されたものです。
サーデンペプチドは、栄養学上「バリルチロシン」という名もありますが、血圧が高めの人、そして軽度の高血圧と診断された男女88人を対象とした調査では、12週間、毎日サーデンペプチドを500mgを摂取したグループと、偽成分を摂取したグループに分けて、経過を見ました。
そうすると、サーデンペプチドを摂取していたグループは摂取後4週目から収縮期血圧(上の血圧)が下がり始め、そして10週目には拡張期血圧(下の血圧)がみるみる低下したとの調査結果が出ました。
偽成分を摂取していたグループには、どちらも変化がなかったということです。
※参考:Journal of Nutritional Food;6,2,65-82,2003
血圧とは?
血圧は、特に中高年の男性に多い「高血圧」が代表的ですが、近年、女性ホルモンが低減する更年期以降の女性にも増えてきています。そして偏った食事により、年々、高血圧は若年齢化してきています。
「血圧」とは、血液が体内で流れる時に、血管壁にかかる圧力のことを指します。心臓が血液を送り出す時の収縮期血圧(上の血圧)が140mgHgより高い、または心臓がもとの形に戻る際の拡張期血圧(下の血圧)が90mmHgを上回ると「高血圧」と判断されます。それより低くても、値がかなり近ければ、予備軍に入ります。
サーデンペプチドは具体的にどう血圧に影響する?
体内で血管を収縮して血圧を上げるアンジオテンシンIIという物質が作り出されますが、この合成に血管内で分泌されるACEという酵素があります。サーデンペプチドはその働きを阻害するため、血圧が上がってしまうのを抑制することができる、と考えられています。
サーデンペプチドは、高めの血圧は正常値に下げることができますが、もともと正常血圧の人には何の反応も示さない、ということもわかっています。
血圧が高めで、高血圧予備軍だとわかった時点で、サーデンペプチドを摂取すると、高血圧症にならずに済みそうですね。
いわしを食べよう!
高血圧の懸念がある方は、サプリメントを利用すると、効果が速く感じられるかもしれませんが、いわしそのものも食べるようにしておきたいですね。生のいわしは旬の季節があるので、年中食べるのは難しいかもしれませんが、旬の時期は6月~10月ごろまでなので、今は買いやすい時期です!
またイタリア料理に代表されるオイルサーディンなどの缶詰も適宜利用してみましょう。いわしを使った伝統料理がそのまま缶詰になっていたり、レトルト食品になっていたりします。下記にいわしの代表的な食べ方をご紹介いたします。
- いわしの梅干し煮
- いわしの甘露煮
- いわしの南蛮漬け
- いわしフライ
- いわしのマリネ
などなど。サプリメントだと、サーデンペプチドのみの摂取になりますが、食品としてのいわしは青背魚なので、サーデンペプチドのほかに、DHAやEPAなどのオメガ3系の良質な油分も補えますね。旬のお野菜と一緒に、旬の時期に突入したいわしで血圧を正常化に保つ食生活に取り入れてみてください。