ごぼうの旬は、一般に秋から冬にかけてと言われていますが、江戸時代までは5~7月の初夏によく食べられていたようです。浅草界隈に行くと、老舗の料理店が夏の風物詩である”どじょう”を使った「柳川鍋」をはじめますが、その名脇役に”ごぼう”は欠かせない食材ですね。このことからも、江戸時代は冷蔵庫などなかったので、夏にごぼうが収穫されていたと考えられています。
夏に旬を迎える「新ごぼう」とは?
新ごぼうは別名「夏ごぼう」とも呼ばれますが、秋に種を蒔いて、初夏に収穫されるごぼうのことです。秋冬にいただくごぼうと種や品種に違いはないのですが、しっかり根付く前に収穫するので、秋冬のものと比べ、食感も柔らかく、上品な香りが特徴です。
ごぼうの特徴は?
若返りのお茶として数年前には「ごぼう茶」が大ヒットして、今も継続してベストセラー中ですが、ごぼうのダイエット作用は、皮に秘密が隠されています。
料理の際、皮は、泥がついていることもあり、よく洗ってから、念入りに皮も取り除いてしまいますが、皮は別にとっておき、泥をよく洗ったら、熱湯で煎じて、ごぼう茶としていただいておきましょう。
もともと、ごぼうは利尿作用のある漢方薬として中国から伝播された野菜です。現代も腎臓系の病気の改善や予防食として用いられていますね。しかしアクが強いため生食には向かないので、ごぼう茶としていただく時も、必ず熱湯で煎じ、料理の際は加熱調理でいただきましょう。
ごぼうは江戸時代にも大ヒットしており、和食の代表レシピとなっている『金平ごぼう』もその頃にできたお惣菜です。美しい和菓子の代表作「花びら餅」にも棒状のごぼうの甘露煮が使われ、味わいに上品さをプラスしています。
ごぼうの栄養やダイエット作用は?
ごぼうも根野菜なので、加熱すると炭水化物に変わるのですが、芋類のようにブドウ糖を含む炭水化物とはならず、「イヌリン」という成分を含む炭水化物に変わります。このイヌリンは血糖値が上がりにくく、糖尿病の予防食としても起用されています。そしてごぼうは水溶性食物繊維も、不溶性食物繊維も、野菜の中ではトップクラスです。水溶性としてダイレクトに腸に届いてデトックス作用をもたらし、不溶性として、腸壁のお掃除などをしながら、排泄へと向かいます。そしてオリゴ糖も含まれるので、腸の中を善玉菌優位にしてくれるのです。ごぼうを食べると便秘が改善される、というのはそのためなんですね。
アンチエイジングにも!
「若返りのお茶」としてごぼう茶がヒットしたように、ごぼうにはアンチエイジング作用も望めます。
抗酸化作用のあるポリフェノールやペルオキシダーゼが含まれるので、細胞の老化を防いでくれますが、これらは皮の部分に多く含むので、可食部よりも皮を煎じて飲む「ごぼう茶」に有効のようですね。
そしてごぼうの皮には「ジンセノイド」という若返り成分が含まれ、サポニンの一種です。この成分が数年前の「ごぼう茶」のヒットにつながったと言われています。細胞の老化を防ぐだけでなく、小じわ予防など美肌作用も期待できるでしょう。
新ごぼうはどこで手に入る?
今の時期に、スーパーで並んでいるごぼうは、たいてい新ごぼうです。「新ごぼう」と明記している場合もあります。
ごぼうチップスなどの加工品やレトルトの金平ごぼうなどを除き、デパ地下やお惣菜コーナーで買える、ごぼう料理も今の時期は新ごぼうが使われています。
ごぼうは早食いの人でも、よく噛まないと呑み込めないため、口の中でアミラーゼという消化酵素も分泌されるので、ごぼうの栄養成分、以外からも食べるだけでダイエット作用が望めます。