2015年に機能性表示食品の制度がスタートし、ここに来て、飛ぶ鳥を落とす勢いで製品が増え続けていますね。
スタート当初は、「?」な感じでしたが、2016年度に消費者庁に届け出があった製品は全302件です。そのうちサプリメント形式の加工品が142件、その他加工品が157件、生鮮食品が3件となっています。※消費者庁
みなさんがよく見る、スーパーのお菓子売り場などに並んでいるチョコレートや、シリアルバー、ウエハース、キャンディなどはその他加工品の部類に入ります。
トクホとの違いは?
トクホを表示できる製品は、消費者庁で個々の審査があり、その企業の研究論文など、取得するのに企業側も厳しい道のりを歩みます。その分、機能性表示食品よりも健康効果が高いと言えるでしょう。しかしそれを証明するために何億円規模の研究費がかかるため、大手食品メーカーなら実現できても、由緒ある老舗店や中小企業では難しいものがありました。
一方の機能性表示食品は、疲労回復やストレスの軽減、肌の潤い、糖や脂質を吸収する、などなど、国民が日々の生活の中で気になっている悩みを解決してくれる機能性成分をダイレクトにパッケージに書いて、伝えてくれるので、生活者の皆さんも買いやすいというわけです。
機能性表示食品は安全なのか?
賛否両論ありますが、消費者庁への申請が受理されなければいけないので、受理後も機能性に何らかの問題が生じた場合は、途中で取りやめになった商品もいくつかあります。
機能性表示食品の場合、その製品が謳っている成分の機能性に対し、科学的根拠のある査読付きの論文を提出しなければいけません。
一般に大学機関の栄養学科や食物学科などの必修科目にある『食品機能学』や『食品学』などの教科書に書かれている機能性成分の働きを、きちんとした研究機関が記した論文が添付されていればOKなのです。
トクホのように自社の研究論文は必要ありませんが、その成分の科学的根拠はまず信用してもいいと思います。
ただ、その成分以外の成分については疑問点が残るかもしれませんが。
機能性表示食品のメリットは?
筆者の私見ではありますが、普通のお菓子やチョコレートを食べて罪悪感を感じるのなら、機能性表示食品のものを選べば、ある意味、国民のメタボや生活習慣の改善になると考えています。
一度、習慣化されてしまった「おやつ習慣」は「やめなさい」と言われても、なかなか止められません。
全てのお菓子が悪いわけではなく、中身の詰まったものを選べば、健康に役立つ場合もあります。
それに大手食品メーカーのように財力がないと、大量生産は実現しません。
ただ、薬ではなくあくまで「食品」なので、それを食べれば、必ず疲労が回復される、肌が潤う、と決め込んで食べ続けないことも大事だと思います。
注目の機能性成分は難消化性デキストリン
様々な機能性成分があり、どうしてもキャッチコピーに惹かれてしまいますが、どういった成分がどう生活改善に関わってくるのでしょうか?順位別にご紹介しましょう。
- 難消化性デキストリン
登録製品は130にも上ります。
糖質と脂質の吸収を抑える機能性成分です。
筆者もチョコレートを食べる時は選ぶようにしているグリコのリベラLIBERAが有名ですね。
砂糖が使用されていますが、開発者さんのインタビュー記事を読んでいると、使われている原料の中では多いですが、難消化性デキストリンを1袋に適量の5gを入れているため、一般のチョコレートよりもかなり含量は少ないようです。
難消化性デキストリンはとうもろこしから採取できる成分です。
- GABA
ロングセラーとなっているチョコレート『GABA』が有名ですね。GABAは脳の神経伝達物質に働きかけ、疲労回復作用があると言われています。
チョコレートが有名になっていますが、胚芽米、玄米、米、味噌、醤油など日本の伝統食に多く含まれている機能性成分です。
グリコ メンタルバランスチョコレートGABA<ミルク>スタンドパウチ 51g×10袋
- 出版社/メーカー: 江崎グリコ
- 発売日: 2012/09/25
- メディア: 食品&飲料
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- EPA、DHA
いわしやさんまなどの青背魚や、亜麻仁油、エゴマ油などの植物かもらとれるn-3系の脂肪酸です。機能性表示食品としては「中性脂肪を下げる」と謳った製品が多いですね。ヨーグルトドリンクや、ニッスイのソーセージなどが代表的です。
- ヒアルロン酸
食品よりも化粧品によく使われている成分ですが、美容ドリンクなどが急増しています。ヒアルロン酸は皮膚の構成成分の1つなので、「肌の潤いを保つ」と謳われた商品が多いですね。
- L-テアニン
お茶に含まれる特有のアミノ酸です。旨味や天然の甘味を醸しだす成分ですが、「睡眠の質を高める」、「一時的ストレスを軽減」などと謳わ、近年急増しています。
スーパーやコンビニ、ドラックストアで良く見かけるお菓子類のラインナップですが、賢く選んで日常の健康生活に役立てたいですね。
サプリメントに関しては、詳しくないので割愛しますが、「おやつ習慣」が辞められてない人は、機能性表示食品にチェンジすると、なんらかのメリットがあるかもしれません。