今年も魚による食中毒のニュースが、聞かれるようになりましたね。
アニサキス食中毒も有名ですが、先日は「ヒスタミン食中毒」が報道されていました。
加熱調理しても起きてしまう食中毒なので、その特徴と対策を知っておきましょう!
ヒスタミン食中毒とは?
ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度で含まれた食品を食べることで発症する、アレルギー様の食中毒です。
特に魚介類やその加工品を食べることで発症します。
中でも、カジキが最も多く、次いでマグロやカツオなど赤い身の魚が原因食品になっているようです。
ヒスタミンは、食品中に含まれるアミノ酸の1種ヒスチジンに、ヒスタミン産生菌の酵素が悪さをおこして、ヒスタミンが生成される場合があります。
ヒスタミンが生成されてしまうと、食中毒症状が起きてしまうのですね。
このヒスタミン産生菌も菌類なので、魚介類やその加工品を常温で放置しておくと、増殖しやすくなります。
ヒスチジン自体は、悪いものではなく、むしろカラダに必要なアミノ酸ですが、この菌にやられやすいのです。
そしてヒスタミンは熱にも強いので、調理前の常温保存時に、ヒスタミンが生成されてしまうと、煮ても焼いても、揚げても、消えず、食中毒の原因菌となります。
厚生労働省によると、昨年2016年度の件数は15件で、患者数は283名です。
他の食中毒と比べると少ないですが、海外では死亡事故も出ているので、油断はできません。
ヒスタミン食中毒の症状
日本では死に至るケースは少なく、魚を食べたあとに、顔が赤くなり、じんましんが出てきたら、疑った方がいいでしょう。
症状がすぐに収まれば、ヒスタミン濃度が低く、すぐに症状がおさまるケースもありますが、早めに医療機関に行くようにしましょう。
対策は?
多くの食中毒の場合、生ものや、加熱不十分な場合に起こりますが、ヒスタミン食中毒は、前述のように加熱してもヒスタミンは消失せず、食べる前に確認もできないので、やっかいですね。
対策としては、魚介類を買う場合は、スーパーでも冷蔵管理がしっかりしているものを買うこと。
また、夏場は見栄えがいいので、氷の上に、数種類の魚を並べている光景も見られますが、雑菌が繁殖しやすい状態なので、そういった商品の購入は避けるようにしましょう。
また買い物したら、すぐに帰宅して冷蔵庫へ入れてください。
買い物ついでに、ちょっとぐらい...と生魚を持ったまま、お茶して帰ったり、寄り道していると、その間に、ヒスタミンが生成されてしまうかもしれません!
そしてヒスタミン産生菌は魚の内臓やエラに増殖しやすいので、処理済みのものを買うか、帰宅後すぐに処理してから冷蔵しましょう。
ヒスタミンが生成されているかどうかを怖がっていたら、魚が食べられなくなりますが、口に入れた時に、舌にしびれを感じたら、飲み込まないようにして、その食品自体も処分してください。
少しでもお役に立てれば幸いです。