冬のしゃぶしゃぶは牛肉メインのものが多いですが、
夏の冷しゃぶは豚肉が多いですね。
そして夏の疲労回復食や夏バテ予防食にも、
よく豚の冷しゃぶが登場します。
豚肉のどんな栄養成分が、
夏の疲労回復にいいのか検証してみましょう。
豚肉の栄養や効能は?
豚肉や鶏肉のように肉質がピンクのものは、
『調理科学』という学問上で、
加熱しても固くなりにくく口あたりがいい、
という食材の特質があるので、
その点で、豚肉は冷製料理に向いているといえます。
ハムなどもその特質を活かしていますね。
そして豚肉には他のお肉と比べて、
ビタミンB群が豊富に含まれています。
カラダが疲れてしまうのは、
乳酸という疲労物質が溜まっていくのですが、
(カラダにいい乳酸菌とは別物です)
ビタミンB群の中でも特にビタミンB1は、
糖質を代謝して、
カラダを疲れにくくする作用があると考えられています。
夏の疲労回復食になぜ豚しゃぶ?
ただ豚肉は脂質もあり、
それは飽和脂肪酸といって、
中性脂肪になりやすい脂肪です。
中性脂肪はカラダを太らせたり、
疲労させることもあります。
豚しゃぶなら、冷製にする時でも、
一度、豚肉を茹でるので、余分な油が抜けて、
ちょうどいい感じになるのですね。
そして、しゃぶしゃぶのタレとしてお馴染みの
ポン酢にも酢からクエン酸が補えることになるので、
ダブルで疲労回復に向いているようです。
豚肉は単品で食べないように
豚肉には飽和脂肪酸だけでなく、
ピルビン酸の存在も心配です。
ピルビン酸はクエン酸や野菜などから摂取した
ビタミンやミネラルがあれば、
さほど心配する必要はありませんが、
単品で大量に食べると、
ピルビン酸が体内に増えて、
疲労物質の乳酸を造る原因となってしまうのです。
ごまだれ派の方は、
ポン酢のように酢からのクエン酸が補給できないので、
たっぷりの野菜と食べるようにしましょう。
豚しゃぶはキムチとも相性がいい
茹でた豚肉は「豚キムチ」としてもよく食べられますが、
キムチはたっぷりの野菜を唐辛子、ニンニク、塩と共に漬けた、
漬け物の一種。
ニンニクは硫化アリルやアリシンといった香り成分がありますが、
それも疲労回復作用が期待できます。
これらの香り成分はタマネギやネギなどにも含まれるので、
ポン酢と一緒にすりおろしたタマネギや
刻みネギをプラスするのもいいでしょう。
豚肉の油分と、
単品で食べた時のピルビン酸に注意を向けると、
夏の疲労回復食として、
これらの心配が排除しやすい豚しゃぶは理想的な食べ物ですね。
麺類にもご飯にもあうので、
疲れたな~と感じた時に食べておきましょう。