書店を歩いていると、今年は関節痛やひざの痛みの特集が多いようですね。
ふしぶしが痛んだり、ひじやひざがうずくように痛いなど、傷み方も様々ですが、私たちの骨の状態は、どうなっているのでしょうか?
そんな関節の痛みには食事からグルコサミンを摂ると和らぐとも言われています。
詳細をみてみましょう。
ひじやひざの関節痛と骨の仕組み
夏は天候が変わりやすく、梅雨が終わっても、じめじめとした雨模様が続く時もありますよね。
そんな環境下だと、ひじやひざなどの関節が、うずくように痛む場合があります。
関節が正常な場合は、骨の端がクッションのような軟らかい軟骨でおおわれているので、硬い骨同士がぶつかることがなく、腕や足をスムーズに動かすことができます。
しかし、加齢や激しい運動が原因となって、軟骨に摩擦がおきたり、損傷したり、なんらかの変化が現れたりすると、骨同士が直接ぶつかりあって、炎症がおき、痛みが発生してしまうのです。
そんな痛みを和らげるのに役立つのが、グルコサミンというアミノ糖です。
グルコサミンとは?
グルコサミンは正式名称を「グルコサミン塩酸塩」といい、糖やアミノ酸がくっついたアミノ糖と呼ばれる成分の1つです。
機能性表示食品として製品化されているサプリメントなどは、エビやカニの甲羅から抽出されたキチン酸で処理されたものが多く出回っています。
順天堂大学の研究によると、グルコサミンには抗炎症作用があり、関節の痛みを抑えて、軟骨がすり減るのを抑える作用があるそうです。
グルコサミンはⅡ型コラーゲンの分解を抑える
軟骨が軟らかいクッションのようになっているのは、Ⅱ型コラーゲンの存在によるものです。
Ⅱ型コラーゲンは、いつも分解と合成をくりかえして均整を保っており、そのバランスがいいと関節は健康な状態を保てます。
しかし、加齢や激しい運動で軟骨に負担がかかってしまうと、Ⅱ型コラーゲンを分解する酵素がたくさんできてしまい、徐々に軟骨が壊れてしまうのです。
グルコサミンはこのⅡ型コラーゲンの分解を抑えて、軟骨が壊れるのを予防する作用が期待できます。
またグルコサミンはブドウ糖と化学構造が似ているので、体内に吸収されやすく、細胞にも入りやすいという特徴を持っています。
細胞内ではタンパク質と結合して、シグナルを伝達をしてくれるので、炎症の伝達を抑える作用も望めるでしょう。
グルコサミンは美肌にも?
関節の中で潤滑油のような役割を果たすのがヒアルロン酸です。
グルコサミンを摂取すると、体内でヒアルロン酸の産生を促す作用もあるので、ヒアルロン酸量が増え、関節内で、たとえ、軟骨が減っていても、骨と骨がぶつかった時に、衝撃や摩擦が和らいで、痛みが減るそうです。
また体内にヒアルロン酸量が増えると、皮膚組織も健康に保たれるようになるので、美肌にもつながるかもしれませんね。
グルコサミンを含む食べ物
サプリメントでは、前述したように、カニやエビの甲羅からグルコサミンを抽出しています。
食品では、カニの甲羅を食べるのは難しいですが、桜海老や、甲羅ごと揚げたエビや”さわがに”の唐揚げなどから摂取できます。
またエビフライやエビの天ぷらではエビの尻尾も残さず食べるようにしましょう。
エビやカニの甲羅を利用したグラタンなども、甲羅からエキスがお料理に流れ出るので利用してみるといいですね。
他に牛乳やチーズにも含まれています。
「関節痛に牛乳がいい」という説はこの辺りから来ているのかもしれませんね。
エビグラタンやエビドリアを「エビの尻尾も残さず食べる」という前提でいただくと、牛乳やチーズも材料に使われているので、効率良くグルコサミンが取れるでしょう。
あまりにも関節の痛みがひどい方は、医療機関に相談することが大切ですが、日々の食事から関節を守るものを摂り入れなければいけません。
サプリメントも上手く活用して、痛みのもとを和らげておきたいですね。