熱中症の症状と似ている「夏血栓」をご存知ですか?
夏に起こりやすい血栓なので、「夏血栓」と呼ばれていますが、血栓は血管内で血液の塊ができることで、それにより血流が悪くなり、心筋梗塞や動脈硬化などを引き起こし、生命の危険に及ぶこともあります。
夏血栓と熱中症の違い、そして血液をサラサラにする食べ物を知っておきましょう。
血栓とは?
血管内にできた血の塊が血管につまる病気を血栓症といいます。
この血の塊を血栓といい、血栓ができる場所によって様々な病気を引き起こします。
脳の動脈に血栓がつまると脳梗塞、心臓の動脈につまれば心筋梗塞を引き起こすのです。
血栓症は、寒さで血管が収縮する冬によく起こりますが、夏も起こりやすく、いずれにしても命に関わる非常に危険な疾患です。
夏血栓とは?
暑い夏はビールがおいしく感じる季節ですが、のどを潤すためにアルコールを多飲すると、利尿作用があるので、知らずに脱水症状になっている場合があります。
また涼しい屋内で、のどの渇きに気づかず、脱水症状になっているケースもあります。
このように夏は知らない間に脱水症状になっていることが多く、血液がドロドロになり、血栓ができてしまう場合があります。
症状としては、めまいや動悸、息切れなど、熱中症の症状と似ているので、夏血栓は、適切に処置されない場合が多いのです。
熱中症の処置と夏血栓の処置の違い
熱中症の場合、カラダを冷やすなどの処置をしますが、血栓症は血液を溶かす処置が必要です。
この処置が遅れると、後遺症が残ってしまうケースも多く、死亡率も上がってしまいます。
特に「急性肺血栓塞栓症」という、肺に血栓ができる病気では、発症から一時間以内に亡くなっている死亡率が40%となっています。
もしも、発熱、動悸、息切れなどの症状が現れた場合、熱中症かな...と自己判断せずに、早めに医療機関へ行くようにしましょう。
※参考:『ロビンス基礎病理学 原書9版』
夏血栓の対策
- こまめに水分をとる!
のどが渇いてからでは遅いので、屋内の涼しい場所にいても、お水やお茶を補給するように心がけましょう。 - 長時間、同じ姿勢はタブー!
特にデスクワークの方や、立ち仕事、そして車の運転など、長時間同じ姿勢や体性で過ごさないようにしましょう。
血流が悪くなり、つまりやすくなります
デスクワークの方は、1時間に1度は席を立ったり軽いストレッチなどを取り入れましょう。 - 血液をサラサラに!
血液をサラサラにする食べ物を食生活に取り入れて、血液がドロドロとしないよう気をつけておきましょう。
血液をサラサラにする食べ物とは?
- 納豆
納豆に含まれるナットウキナーゼに血栓を予防する作用があります。 - ポリフェノール
抗酸化作用のあるポリフェノールは紫色の食べ物(ブルーベリー、ぶどう、紫玉ねぎなど)のアントシアニンや、お茶や紅茶に含まれるカテキンなどがあります。 - ビタミンC
葉野菜、かんきつ類の果物、さつまいもなど - クエン酸
ビネガー類、かんきつ類の果物 - DHAやEPAを含む魚介類
青背魚(サンマ、イワシ、アジなど)、鮭など - アルギン酸
わかめなどの海藻類 - ビタミンE
ナッツ類、オリーブオイル、アボカドなど
食べ過ぎると血管がつまりやすいものは、パンやスイーツに含まれる白く生成された小麦粉類や白砂糖、時間のたった揚げ物(スナック菓子)、そして前述してアルコール飲料です。
野菜を中心としたバランスのいい食生活が夏血栓を予防するので、上記の食材リストを参考にしてください。
熱中症予防にも役立ちます。