日本人は2人に1人が便秘と言われており、特に女性が多いですね。
また女性の死因の1位が大腸がんとなっています(2015年度)。
大腸がんには、発症リスクが高くなる生活習慣があるので、もしや?と思われる方は、若年層でも早めにがん検診などで、ご自分のカラダの状態をチェックしておきましょう。
大腸がんになりやすい生活習慣とは?
45歳を過ぎたあたりから、がんのリスクは高くなってくるので、年に一度の健康診断だけでなく、市区町村などが主催するがん検診などを進んで受けるようにしましょう。
公的機関の場合、自費でクリニックで検査を受けるよりも、かなりリーズナブルな検診費で済みます!
さて、大腸がんになりやすいと言われている生活習慣は以下の通りです。
- 座っている時間が長く運動不足の人
大腸がんの中でも、結腸(けっちょう)がんのリスクが高くなることがわかっています。
同じ姿勢で長時間、座っているので、カラダの活動量が減り、そのため、腸の運動も減ることになるので、便の通過時間を長引かせてしまいます。
そうすると、便中の発がん物質が腸壁に触れる機会や時間が多くなり、がんの発症が高まると考えられています。 - 肉食中心で野菜の摂取が少ない人
WHO(世界保健機構)は、2015年10月に、「加工肉、赤身肉ががんの原因となる」と発表しました。
それに伴い、国際がん研究機関が、ハムやベーコン、ソーセージなどの加工肉を毎日50g以上食べると、大腸がんになるリスクが18%高まるという研究報告も発表しました。
またそれ以前の2007年には、世界がん研究基金と米国がん研究協会の合同報告書で、赤身肉の摂取を週に500g未満に抑えるよう、注意喚起が行われています。
日本でも、国立がん研究センターの研究で、肉類の摂取が大腸がんの中でも、結腸にできる、がんのリスクを高めてしまう、という統計結果が出ているようです。
特に女性は、赤身肉の摂取量が多いとリスクが高まってしまうようですね。
肉食は適量を守って食べ過ぎないようにしよう!
一般に日本のスーパーで買える食肉は、牛肉、豚肉、鶏肉の3つが主流ですが、食べ過ぎなければ、さほど神経質になることはありません。
一食平均が100g前後なので、毎日お肉を食べている人は、1日おきにするといいでしょう。
また朝食などで毎日ハム、ベーコン、ウインナーを食べている方も、週に数回に減らした方がいいでしょう。
食肉の何がいけないのか?
生の状態の食肉のままだと、特に発がん性物質は含まれません。
しかし、食肉は生のままだと微生物も多く、衛生面からも、日本では必ず加熱調理して食べることになっています。
以前は、一部の専門店で鶏の刺身や牛生肉の寿司が堪能できましたが、食中毒が多いため、少なくなっていますね。
調理科学や食品学という学問上、食肉を加熱調理すると、ヘテロサイクリックアミンと多環芳香族炭化水素(PAH)と呼ばれる物質が形成されます。
この2つの物質を摂取しつづけると、DNAの変化を引き起こして、がんのリスクが高まる場合があります。
ヘテロサイクリックアミンは、食品中のアミノ酸、糖、そして筋肉に存在するクレアチンという物質が高温に触れることで生成されます。
もう一つの、PAHは、バーベキューなどでお肉を焼くと、食肉から、脂肪滴が火の上に落ちて、炎を引き起こすことで生成されます。
バーベキューや焼き肉専門店で焼くお肉は、独特の焦げ目がついて、香ばしく美味しいのですが、PAHという物質ができているので、食べすぎには注意しましょう。
筆者の個人的な考えですが、お肉を食べるときは、焼かずに、茹でたり、蒸したり、煮物にすると、少なくともPAHの発生は少ないのではないか、と思います。
しゃぶしゃぶや、蒸し鶏、肉じゃが、筑前煮などです。
加工肉の何がいけないのか?
次は、ハム、ベーコン、ウインナーなどの加工肉の場合です。
豚肉を加工して製造される加工肉は、製造過程で、微生物の繁殖をおさえるために、保存剤として亜硝酸塩を添加しています。
亜硝酸塩は食肉に多く見られる、ボツリヌス菌の繁殖を抑えるのに、重要な保存剤なのです。
しかし、国際がん研究機関では、亜硝酸塩を、
「ヒトに対して、おそらく発がん性がある」
と判定しています。
亜硝酸塩を含む加工肉を、高温で加熱調理すると、発がん性物質のニトロソ化合物が生成されます。
また、調理過程でニトロソ化合物ができなくても、胃の中の胃酸が、亜硝酸塩をニトロソ化合物に変えることもあるので、毎日食べ続けると危険なのです。
本日は、少々難しいお話しとなりましたが、近年、若い世代の様々ながんが進行しており、命を落とすケースも増えています。
日本人は、欧米人と比べるとお肉を食べる量は少ないですが、適量を守ることに越したことはありません。
女性の死因1位の大腸がんの原因を、少しでも減らして、楽しい食生活を送りましょう。
そしてお肉を食べる時は、倍量の野菜を食べることも忘れずに!