女性は月経前(PMS)になると、気分が落ち込んだり、イライラしやすくなるというカラダの特徴があります。
この時期は、頭痛で悩まされている方も多いことでしょう。
月経前はどうして頭痛になりやすいのか?
女性ホルモンの関係と、予防や改善となる食べ物をみていきましょう。
月経前は頭痛になりやすい?
月経前の頭痛は、片頭痛(偏頭痛)に分類されます。
脳内物質であるセロトニンが異常発生して、脳の血管が収縮した後、セロトニンが出尽くしてしまい、今度は血管が急激に拡張されて起こる時に痛みを感じ、それが頭痛となってあらわれています。
セロトニンは、女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ていているので、月経前でエストロゲンが減少する際、セロトニンも同時に減っていき、偏頭痛の症状が出やすいと考えられています。
月経前の行動にも注意しよう!
こうした現象は、脳の異常な興奮状態も原因となるので、月経前のイライラで、些細なことに腹を立てたり、気持ちを落ち着かせようと暴飲暴食に走る人、またスイーツを必要以上に食べてしまう人は注意が必要です。
特にスイーツは空腹時に食べると、その糖分で血糖値が一気に上がり、それを下げるために、インスリンが分泌され、その時に体脂肪ができやすくなるとも考えられています。
その体脂肪から、プロスタグランジンという血管を拡張させてしまう物質が放出され、それもまた片頭痛の原因となるのです。
月経前はただでさえ、エストロゲンの減少で頭痛が起こりやすい上、怒りっぽくなる、スイーツを食べたくなる、という2つの異常行動も起きやすくなるので、覚えておきましょう。
月経前の偏頭痛を抑える食べ物
月経前はエストロゲンが減少しやすい時期なので、セロトニンの分泌も左右する“自律神経”を安定させる栄養成分を摂ることも大切です。
そのためには鉄、ビタミンE、EPAの摂取がいいでしょう。
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鉄
レバー類、赤身肉、赤身魚、ウナギ、卵、ヒジキ、ほうれん草、春菊など -
ビタミンE
アボカド、オリーブオイル、ナッツ類、ウナギ、ニンジン、カボチャなど -
EPA
魚介類(特に青背魚)、ナッツ類、亜麻仁油、エゴマ油、麻の実
食事例
いろんな種類を少しずつ食べるのが理想的な食事ですが、品数を揃えていただくのは、なかなか大変ですよね。
そこで効率よく3つの栄養成分を摂取できる食事例をご紹介します。
- しゃぶしゃぶ+ごまだれ+緑黄色野菜
寒くなってくると鍋物が恋しくなりますね。
牛や豚の赤身肉でしゃぶしゃぶにし、春菊と一緒にいただきましょう。 - ウナギ料理+ほうれん草または春菊のピーナッツ(クルミ)和え
ウナギは鉄とビタミンEが一度に摂取できる食品です。
ほうれん草や春菊に含まれる鉄は非ヘム鉄になりますが、動物性食品と一緒に食べると吸収が良くなります。
ナッツ類はビタミンEとEPAが一度に摂取できるでしょう。 - サンマや秋サバの焼き魚または煮つけ+ヒジキとニンジンの和え物
旬の青背魚でEPAを補い、ヒジキから鉄、ニンジンでビタミンEを
食事から自律神経やセロトニン分泌の調整につながる栄養成分を摂っておくと、月経前の偏頭痛も和らいでいくかもしれません!
鉄、ビタミンE、EPAはともに血流の改善に働き、肌などの細胞を合成するためにも必要な栄養成分なので、月経前に起こりやすい片頭痛と共に、肌荒れなどの改善にも役立つでしょう。