11月に入ると、これから年末にかけてお仕事の悩みなどが増えてくる時期ですね。
それと同時に、夜は冷え込むので、寒さでなかなか寝付けない日も出てきます。
こうしたことが度重なると「不眠症」となり、疲れも不安もたまっていくので早めに改善しましょう。
その改善や予防の1つとして朝食に味噌汁をいただくことが推奨されています。
ポイントはただ味噌汁をいただくのではなく、「朝食」にとることが大切です。
朝食に味噌汁をいただく理由とは?
味噌の原料である大豆には、トリプトファンが多く含まれています。
トリプトファンは心を静め、眠りを誘うセロトニンやメラトニンの原料になります。
こうしてみると、朝食で味噌汁をいただくと、眠くなってしまいそうに思いますが、実はトリプトファンの効果を利用するには、時間差があるのです。
トリプトファンからメラトニンを再合成するには10時間以上はかかると考えられています。
そのため、睡眠の質を高め、不眠症の改善や予防が目的である場合、トリプトファンを夕食でとるには遅く、朝食でとるとちょうどいいことになります。
またトリプトファンはビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムの3つの栄養成分を同時に取ることで、セロトニンやメラトニンを効率よく合成するという働きが期待できます。
朝からバランスのとれたおかずを用意するのは大変ですが、具だくさんの味噌汁を朝食でいただいておくと不眠の症状が和らいでいくかもしれません。
朝食の味噌汁に入れておきたい食品リスト
前述した各栄養成分は以下の食品リストに含まれているので、朝食の味噌汁やおかずに取り入れてみてください。
- トリプトファン
必須アミノ酸の1種で、安眠を誘うセロトニンやメラトニンを合成する働きがあります。
⇒ 大豆製品全般、ナッツ類、赤身肉、牛乳、青背魚(アジ、イワシ、サバ、サンマなど) - ナイアシン
欠乏すると「言い知れぬ不安」や「落ち込み」など”プチうつ”になりやすいと言われています。
⇒ キノコ類、豚肉、カイワレ大根など - ビタミンB6
神経伝達物質の合成を促し、睡眠時に副交感神経を優位にしてくれるお手伝いをします。
⇒ 卵、キノコ類、赤ピーマン、ブロッコリー、サツマイモなど - マグネシウム
体温を一定に保ち、神経を静めたり、冷えの改善に役立つ成分。
⇒ 長ネギ、ブロッコリー、ゴボウ、ほうれん草、カイワレ大根など
味噌汁メニュー例
上記の4つの成分が朝の1杯の味噌汁に入っていると理想的ですね。
忙しい方は、インスタントの味噌汁でも不眠予防となるので、まずは「朝一杯の味噌汁」を朝習慣に取り入れてみましょう。
- 豚汁
豚の赤身肉からトリプトファンとナイアシン、具だくさんにするときのこ類やネギ、ゴボウなども入れると、上記4つの成分が1度にとれるでしょう。 - サツマ汁
サツマイモをベースとした具だくさん味噌汁。きのこ類、ゴボウ、そしてお出しに煮干し(かたくちいわし)を使うと - なめこ汁
なめこはきのこ類になるので、ナイアシンやビタミンB6がとれますね。マグネシウムはネギやカイワレ大根のトッピングで。ベースの味噌煮トリプトファンが含まれるので、4つの成分がそろいます。 - ほうれん草の卵とじ味噌汁
味噌汁の具にほうれん草を入れ、卵でとじれば、パン食にもあう味噌汁に。 - 白みそのシチュー風味噌汁
ブロッコリー、きのこ類、ゴボウ、赤ピーマン、サバ缶などを具に、白みそで仕上げると、温かいホワイトシチュー風の味噌汁に。
味噌汁の具は、ご家庭によって、だいたい決まってきますが、アレンジは自在ですよね。
不眠で悩んでいる方は、朝食に味噌汁を取り入れるだけで改善されるかもしれないので、コーヒー習慣を味噌汁に変えることから、不眠改善をはじめてみましょう。