今年(2017年)のノーベル生理学・医学賞は「体内時計」でしたね。
「体内時計」については1984年には発表されていたので、以前から大学機関の栄養学や応用栄養学、生化学、生理学の教科書には書かれていた事項です。
しかし30年以上の時を経て、ノーベル賞に輝くとは、今の世界中の人々の健康に必要だという証! と個人的には思っております。
ということで「体内時計」が、どうヒトの健康や食事リズムに関わってくるのか見てみましょう。
体内時計とは?
ヒトには、1日周期でリズムを刻む「体内時計」が備わっています。
意識していなくても、日中は自然と心拍数や血圧が程度にあがるので、カラダと脳が活動状態になります。
そして夜間は自然と休息状態に切り替わるため、体温が徐々に低くなり、排尿の回数も増えて、わたしたちのカラダは「眠り」の準備をはじめます。
こうした体内時計の働きで、ヒトは夜になると自然と眠りに導かれ、起床時に朝日を浴びて眠気がリセットされ、一定のリズムを刻むと考えられています。
このようなリズムを体内時計といいますが、専門用語では『サーカディアンリズム』または『概日リズム』とも呼ばれています。
体内時計が乱れると…?
ヒトをはじめたとした生体のリズムは、実は24時間ピッタリではありません。
ヒトは25時間周期とも考えられていますが、朝日を浴びた時点でリセットされ、24時間周期にあわせられているという説もあります。
しかし、朝日を浴びてリセットして始まった1日のスタートも、現代人が生きていく上で遭遇する様々な「光」の存在で、体内時計が狂いやすくなっているのです。
体内時計の乱れの原因には睡眠時間と光が関係している考えられているからです。
- 夜遅くまで明るい電気のしたで過ごしている
- スマホやパソコン画面、TVモニターから発する光
これらの明るさは、朝日を浴びた時と、同様の光のパワーをヒトに与えるので、夜遅くまで、こうした光のもとで過ごしていると、カラダは疲れているのに、脳は「朝だよ!起きて!」というメッセージを受けているので体内時計が狂ってしまい、不眠となってしまうのです。
夜になると目が冴えて眠れない方は、こうした「光」にまつわる生活習慣を見直してみましょう。
眠りが浅いとメラトニンが生成されない
体内時計に反する生活習慣で、心地よい眠りにつけない場合、眠っている間に分泌されるセロトニンやメラトニンといったホルモンの分泌も少なくなります。
メラトニンは抗酸化作用があるので、眠っている間に肌をはじめたとした、カラダのあらゆる部位の細胞の新陳代謝を促します。
睡眠不足でメラトニンが不足すると、肌荒れや様々な病気を引き起こす可能性が出てくるので、気を付けたいですね。
また体内時計が狂ってくると、本来、夜に分泌されるホルモンが、昼間に分泌されて、強い眠気になります。
日中に睡魔と闘って、仕事や勉強に集中できない!という不調にも見舞われている方は、こうしたホルモンの分泌の乱れだといえるでしょう。
自分自身のカラダのこととはいえ、仕事や様々な社会ルールと同様、”時計”をあまく見ていると、罰則が待ち構えているのですね。
日中、睡魔に襲われる人は、ご自分のカラダと「時間を守れない」罰則だと受け止めて、生活習慣すなわち体内時計の狂いをなおすよう努めてみましょう。
生活&食事リズムを整える
狂ってしまった体内時計は、生活習慣や食事のリズムを整えるだけで、自然と改善されていきます。
ダイエットで体脂肪を落とすことよりも簡単(?)だと言えるでしょう。
- 朝、起きる時間を毎日一定にする
- 起床後すぐに朝日を浴びる
- 起床して1時間以内に朝食をとる
(せめてコップ1杯の水だけでもとるようにしましょう) - 昼食はなるべく12~13時に
- できれば夕方18:00前後に運動習慣をつける
(会社帰りのジムやヨガなど) - 夕食は20時までに済ませる
- 夜はなるべく光を浴びない
(就寝前のTV、スマホ、ゲーム、ネットサーフィンを控える) - 入浴やシャワーは就寝前1~2時間前に
- できれば23時までに就寝
忙しい現代人がこれらを全て実行するのは、難しいかもしれませんが、赤文字で記したものは、比較的取り入れやすいでしょう。
日常の生活で起こる不調は、様々な原因がありますが、「体内時計」を整えることも改善策の1つです。
ご自分の体内時計の調整は、自分自身でしかできないので、健康&美容のためにもカラダを大切にしましょう。