過去記事で、冷え性は3タイプに大別されることをお伝えしましたが、本日はその中の「内臓冷え」についてお伝えいたします。
30代以降からは「内臓冷え」予防を
女性は30代に入ると、脳と腹部が冷えやすい「内蔵型冷え性(内臓冷え)」が多くなる傾向があります。
脳は本来、温度が一定に保たれている臓器のはずですが、年末年始の忙しい時期は、ストレスや軽いパニックなどで自律神経の機能が乱れがちになります。
そうすると、血管が収縮され、全身に血流が巡らなくなり、脳の温度も下がると考えられています。
こうした状況を「内臓冷え」または「内臓型冷え性」とよびます。
「内臓冷え」の原因はヘモグロビン不足か?
冷え性に関しては、年代によって冷えやすい部位に変化が見られることもあります。
冷え性全体としての原因は、体内に酸素を運ぶ血液中のヘモグロビンが少ないことも原因の1つに挙がっています。
ヘモグロビンは体内を巡って、各細胞でエネルギーを産生しながら体温を維持する役目があるので、大切な存在です。
ヘモグロビンの材料は、鉄とタンパク質が必要なので、食事からこれらの栄養素を十分に摂取しておく必要があるのです。
忘年会シーズンは、暴飲暴食が懸念されますが、逆に考えると、鉄やタンパク質を、ご馳走から得られるチャンスでもあるので、この2つの栄養素を含む食材を考慮に入れて、メニュー選びをしてみましょう。
鉄とタンパク質が補える”あったかお鍋”リスト
鉄とタンパク質が同時に補える食材は、レバーや赤身肉、ウナギ、牡蠣などですが、秋冬にしか堪能できない食材で「内臓冷え」の予防や改善となるお鍋を楽しみましょう。
オススメは猪肉、鴨、あんこうです。
- 牡丹鍋
猪肉は低カロリーで高タンパク質食品です。鉄の他、疲労回復作用のあるビタミンB群、そして女性に不足しがちなカルシウムも摂れます。猪肉は、普段は買えない代物ですが、年末年始が近づくと、一般の大型スーパーにも並ぶので堪能しておきましょう。すき焼きの牛肉を猪肉に変えれば、調理の工夫もいりません。 - 鴨鍋
近年の”ジビエ”ブームで、鴨肉も大型スーパーで買いやすくなりましたね。
鴨肉は、一般の食肉としての栄養価の資料が、あまり出回らないので、知らない方も多いと思いますが、実は鉄の含有量が非常に高く、主要な肉類の中でも群を抜いて多いのです。また、αリノレン酸というダイエット作用のある脂質も多く含まれます。鳥類のお肉なのでもちろんタンパク質食品でもあります。
鴨鍋を”ダイエット鍋”とするため、脂質の代謝を促すビタミンB群が豊富なキノコ類を一緒に煮込んでいただきましょう。 - あんこう鍋
あんこうの旬は12月~2月、日本では茨城県沖の海でお収穫量が多い魚です。
江戸時代から「三鳥二魚」※と称えられ、当時から鯛と共に高級魚として扱われています。※三鳥二魚=三鳥:雲雀(ヒバリ)・鶴(ツル)・鷭(バン)、二魚:鯛(タイ)・鮟鱇(アンコウ)
あんこうは、高タンパク食なのに低脂肪で、カロリーが低いのも特徴です。
鉄の他、皮膚や粘膜の細胞を健康にするビタミンAも含まれ、脳細胞をはじめ、記憶力UPやアンチエイジング効果も期待できるでしょう。緑黄色野菜と共にいただくとビタミンAの吸収が良くなります。
あんこう鍋にはニンジンや春菊など季節の緑黄色野菜も一緒に堪能したいですね。
食品から得た鉄は、カラダへの吸収力を高めるために、ビタミンCの存在も欠かせません。
鍋にはビタミンCが豊富な野菜や、味付けによってはレモンや柚子、すだちなどの柑橘類も役立つので(すき焼きにはあいませんが)適宜取り入れてみましょう。