日本人の野菜摂取不足に伴い、近年、気軽に野菜摂取ができる野菜ジュースの需要が伸びましたね。
スーパーやコンビニで気軽に買える野菜&果物100%のジュースや、ご家庭ではミキサーやジューサーで作るスムージーやジュースクレンズも大ヒットしました。
筆者も2015年の過去記事で、何度かジュースクレンズについてご紹介しています。
それから数年がたち、世界中の栄養や医療の研究も進み、フレッシュジュースについて新たな問題点があがっていることがわかってきました。
毎日のフレッシュジュース、実はカラダに悪いのでしょうか?
果物(野菜)はジュースにすると糖度が上がりすぎる?
果物は糖質オフの観点からは「果糖」が問題視され、厳格に糖質制限をされている方は、医師から控えるように指示を受けていますね。
果物は確かに種類によっては糖度が高いのですが、他にビタミンやミネラル、食物繊維があるので、白く生成された砂糖がたっぷりと入った菓子類を食べるよりかは健康にいいので、害のある食べ物ではありません。
しかし果物をジュースとして加工してしまうと、たとえご家庭で作ったフレッシュジュースやジュースクレンズでも、糖度が上がりすぎることがわかってきました。
特にジュースクレンズが要注意です。
果物を生の姿のままで食べる分には、前述の栄養成分を摂ることができますが、ミキサーやジューサーで加工する際に、金属の摩擦でビタミンやミネラル分は消失していきます。
ここでいう金属とは、ミキサーで食材をかき混ぜる歯の部分を指します。ジューサーは歯ではありませんが、圧縮部分に金属が使われていますね。
そしてスムージーでは食物繊維が残りますが、ジューサーで圧縮すると不溶性食物繊維は取り除かれ、水溶性食物繊維だけがジュースに残ることになります。
ジュースクレンズが大流行した当初は、この水溶性食物繊維が、ダイレクトに腸に届くので、スムージーよりも整腸作用がある、とされていました。
この事実は今も健在なのですが、不溶性食物繊維が取り除かれるので、その繊維細胞の中に、摩擦によって壊れていなかった栄養成分まで取り除かれることになり、せっかくの野菜や果物の良さを奪ってしまうことになるのです。
フレッシュジュースの盲点とは?
前述のように、フレッシュジュースは、野菜や果物を加工することによって糖度と水溶性食物繊維だけが残る液体となるわけです。
そして不溶性食物繊維が取り除かれるので、かさが減り、コップ1杯を満たすのに、平均500gの野菜や果物が必要となります。
これで野菜や果物の1日の摂取量がクリアできたと勘違いしてしまうのですが、国が促している1日の野菜摂取量350g、果物120gは、食物繊維ごと食べた場合のことなので、液体でとっても1日の推奨量をクリアしたことにはならないのです。
野菜は果物と比べてさほど糖度は気にしていないかもしれません。
しかし全く入っていないわけではないので、食物繊維を取り除くと、やはり糖度は液体に残ってしまいます。
コップ1杯を野菜や果物の抽出液で満たすとなると、そこに大量の糖分が溜まっていることになるのですね。
これが野菜&果物100%ジュースの盲点だということです。
※参考『医者が教える食事術~最強の教科書』
食品メーカーが製造している100%ジュースは、様々な憶測が飛び交っていましたが、家庭で作るジュースクレンズも該当するとは、少し寂しい気がいたします。
ジュースクレンズよりも、昔からたまにミキサーで作っていた「ミックスジュース」をたしなむ程度がちょうどいいのかもしれません。
ジュースクレンズを毎日の健康習慣にしている人は、空腹時に飲むと血糖値の乱高下の原因になるかもしれないので、食事の最後にいただくか、午後の体温が比較的高いティータイム(15:00前後)でいただくようにしましょう。
健康ブームはその時代でいろいろ変わりますし、100%安全な食品もないので、ご自分の体調にあわせて、生活者が賢く選択していく必要がありますね。
ジュースクレンズの習慣で体調が改善されなかった人は、本日の記事を参考にしてみてください。