「デトックス」が話題になってから十数年がたち、今ではほぼ「常識」化していますね。
2006年ごろからデトックスという言葉が浸透しはじめ、体内に溜まった毒素を排出するのがブームになり、今も継続中です。
しかし、今までのデトックスは、体内に溜まった毒素を、「プチ断食」や「解毒」作用のある食べ物や飲み物で排出するのが主な用途でしたが、これからの時代のデトックスは、「毒素自体をカラダに造らない!」ことが主流となるようです。
旧デトックスとは?
体内の老廃物を排出するのは、一見いいことのように思えますし、実際、溜まった毒素は体外に排出するべきですね。
体内に毒素が溜まること自体、それは排出されるまで体内で悪さをすることになるので、その間は腸内もキレイではなく、気分もそう快とはいえません。
そのため、デトックスが流行っているにも関わらず、便秘人口は減らず、うつ病患者は増え続け、何らかの不調を常に感じている人が多いのです。
そこで新デトックスでは、体内に毒素自体が生まれないようにして、些細な不調もカラダに溜め込まないようにするのが狙いです。
新デトックスとは?
私たちの口から入ってきた食べ物は胃である程度の消化作業が行われると、小腸、腸へと進み、その後、各栄養成分が血流などに乗って、全身を巡りますね。
この時に、腸相が悪いと、いくらカラダにいいものを食べても、そこで立ち往生して、全身に巡りません。
また体温は約36度ほどなので、時間がたてば、食べたものは体内で腐敗が進み、それも毒素の原因の1つとなるのです。
なので、腸がキレイであることが先決でしたね。
ここまでは、本来のデトックスと同じなのですが、予め、腸内に、ビフィズス菌や乳酸菌などの有用菌が常に存在していると、腸内で食べ物が毒素となりにくくなるのです。
これらの善玉菌優位の腸内環境にするにはどうすればいいのでしょうか?
新デトックスはある程度の糖質も必要?
原因の1つに三大栄養素のバランスが崩れていることが挙げられます。
近年の糖質オフブームで、三大栄養素の糖質(炭水化物)の比重が極端に少なくなっている人が増えているのです。
タンパク質や脂質の摂取量が今までと同量であっても、そこに糖質の比重が抜けてしまうと、カラダは「タンパク質と脂質の摂取が多い」と判断してしまい、腸内で食事からえたタンパク質が悪玉菌のエサと化して、腸内環境がかえって悪くなるということがわかってきました。
糖質は、完全に抜いてしまうのではなく、今までの半量にするなどして、程度に取り入れた方が、腸内で毒素になりにくいのです。
白砂糖や白く生成された小麦粉で作られたスイーツやパン類は、引き続き、控えた方がいいですが、食事で本来食べられていたご飯などは量を調整して食べるようにしましょう。
腸内環境を守ることで心もカラダもクリアに
新デトックスで「腸内環境をまず整える」という発想は、旧デトックスように、プチ断食をしたり、ムリに発酵食品を食べたり、生野菜を大量に食べたりする必要はありません。
私たちの心とカラダを不調にする原因は腸内で作られる「毒素」なので、敵のことをよく知って対処すればいいのです。
糖質を抜きすぎることにより、悪玉菌が「タンパク質の摂取過多だ!」と勘違いしないよう、ご飯などの糖質は適量をとることです。
そうすると、タンパク質が筋肉や各臓器、肌、髪などを造る材料として働いてもらえるので、カラダの不調も起こりにくくなるでしょう。
そしてこれらの機能をよくすために、野菜などのビタミンやミネラル、そして食物繊維の存在も必要です。
心の状態も、カラダの不調とつながっていますし、うつ病と腸内環境の研究発表も数多く出回っています。
新デトックスは、栄養学という学問通り、3大栄養素のバランスが整うことで、腸内環境がよくなるので、「基本に戻る」ということのようですね。