人それぞれベスト体重がありますが、筆者はキープしているベスト体重よりも増えると、その数値が標準体重の範囲内であっても、階段の昇り降りで心臓がバクバクして息苦しくなります。
しかしベスト体重まで落ちると、また階段の昇り降りがラクに感じるのです。
みなさまもそんな経験はありませんか?
人間が太っていくと、主に腹部周りにゼイニクとよく呼ばれている体脂肪がついてきますが、これは心臓や血管に悪影響が出ているサインかもしれません。
どういうことなのか、見ていきましょう。
ウエストが太くなると内臓脂肪が増えている
同じ体脂肪率の人でも、ウエスト周りが太い人は、体内でエネルギーとして使われずに、中性脂肪として蓄えられている脂肪の割合が多いことになります。
程度の中性脂肪の蓄積は、体温調整などに役立ちますが、余分な脂肪はやがて血中に影響していき、血中の糖質や脂質の濃度が高くなっていきます。
そうすると、体内での糖質や脂質の代謝リズムも狂うので、動脈硬化など血管系の疾患を引き起こし、さらに心筋梗塞など心臓系の疾患に発展して、命を落とすケースも出てきます。
こうした最悪のケースは、「肥満」や「メタボ」と診断された人に多いのですが、健常者でも、お正月太りなど、急に体重が増加すると、冒頭の筆者のように、血液の流れが悪くなり、些細なことで息切れが起こる場合もあるのです。
「ちょっと太ったかな?」「ポッコリお腹が気になる」などウエストに注意しておく習慣をつけておきましょう。
なお、「肥満」には内臓脂肪型肥満の他に、皮下脂肪型肥満がありますが、このタイプの肥満の人は、ウエストは細めで、お尻や太もも周りにゼイニクがつくので、内臓脂肪型肥満の人と比べると、影響は少ないようです。
何を食べると腹部肥満になりやすい?
ダイエットは摂取カロリーや脂質を減らすことに重点を置くことが、今でも常識のようになっていますね。
もちろん間違いではありませんが、時代は進み、カロリー神話は崩れつつあります。
同じカロリーであっても、揚げたての唐揚げと、揚げてから時間のたった唐揚げでは、含まれる脂質の「質」が違います。
またナッツ類はカロリーが高いですが、生のものだと、例えポテトチップスと同カロリーでも、やはり質の良い脂質が摂れるので、カラダに悪影響は及ぼさないのです。
ポテトチップスや各種スナック菓子などの、いわゆる「揚げ物の作り置き」は脂質が既に酸化しているので、体内では過酸化脂質としてゼイニクにしかならないと考えても過言ではありません。
一方、新しい油で揚げたての唐揚げや天ぷらは体内で過酸化脂質になりにくいでしょう。いずれも食べ過ぎてはいけませんが...
油脂類だけではなく、腹部周りにゼイニクがつきやすい食べ物は以下の通りです。
心臓や血管に有害な食べ物
※上から順番に有害で、下に行くほど影響度がやや低い食べ物です。
- トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング)
- 加工肉(ハム、ウィンナー、ベーコン)
- 高塩分食品(ポテトチップスなどの揚げ物系スナック菓子)
- 精製された穀類(小麦粉)、でんぷん(コーンスターチ、片栗粉など)、白糖、グラニュー糖
- 加工していない赤身肉(特に牛肉)
- バター
心臓や血管に良い食べ物
※上から順番に良いもので、下に行くほどやや有害となりますが、さほど心配はいりません。
- 野菜、糖質の少ない果物、ナッツ類、魚介類、植物油(オリーブオイル、亜麻仁油、エゴマ油など)、全粒穀物、豆類、ヨーグルト
- チーズ、卵、鶏肉、牛乳
料理は手が込んだものほどカラダに悪くなる!?
上記の食材リストからもわかるように、食べ物を加工すればするほど、栄養価も落ち、その分、心臓や血管に悪影響を及ぼします。
シンプルに自然な姿のままか、古来より伝わる発酵食品系は健康に害を及ぼさないことがわかりますね。
これは家庭でのお料理でも言えることです。
野菜や果物は、種類にもよりますが、生で食べたり、漬け物や甘酢につけて発酵したものは健康にいい食べ方ですが、グツグツ煮込んだり、揚げたり、炒めたりして加熱調理で手が加わるほど、栄養価は落ちています。
煮込み料理は「次の日が美味しい」とよく言われますが、栄養価は落ちているので、適宜、状況を見て、利用しましょう。
スーパーやデパ地下、コンビニのお惣菜類も、必ず、調理した時間が明記されていますよね。
そして時間が経つごとに、栄養価が落ちていくので、お店側もわかっており、閉店間際になると、半額になるほど、食べ物の価値は下がっているということです。
さいごに
忙しい現代、自炊したり、作り立ての食事を出してくれる外食ばかりを利用するのは難しいので、お持ち帰りデリは重宝しますよね。
経済的には安い方が助かりますが、その分、「太りやすくなるかも?」ということを念頭に置いて利用してみましょう。
作り置きのおかずも、なるべく油を使わないようにするといいでしょう。
調理後、時間のたちすぎた油は、「トランス脂肪酸なみにカラダに悪い」と指摘する研究者もいるほどです。
神経質になる必要はありませんが、「知っている上で利用する」のと、「知らずに毎日食べ続けている」のとでは大きな違いがあると思います。
心臓や血管はカラダの最重要部分なので、些細なカラダの変化も見逃さず、食事にも気を配っていきたいですね。