睡眠不足やストレス、そして飲酒や喫煙習慣のある人たちに起こりやすい”血圧サージ”をご存知ですか?
日頃から高血圧の人はもちろん、自分では「血圧は低め」と思っている方や、健康診断でも正常値の人でも起こる”血圧サージ”は、「急激に血圧が変動する」ことです。
この予防や改善に黒豆がいいとのこと。ついでに糖尿病や脂質異常症対策などにも期待できそうです!?
”血圧サージ”とは?
高血圧の方は、予め血圧が高いことがわかっているので、治療法や対処の仕方がわかることでしょう。
しかし、普段の血圧は正常値であったり、血圧が低めだと思っている方に、突然、高波が襲ってきたかのように血圧の変動が起きることを、近年”血圧サージ”とよび、注意が呼びかけられています。
血圧サージが起こると、血管や臓器の老化が進んで、脳梗塞や心臓病のリスクが高くなってきます。
原因は、冒頭で述べたように、睡眠不足やストレス、飲酒、喫煙などの生活習慣です。
これらが血管を詰まらせて、血圧サージを起こすので、日頃の食事から血液がサラサラになるものを食べておく必要があります。
黒豆が治療食に?
黒豆は、古代中国の医薬書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう』にも、病気の治療に用いられていたという明記が残っています。
日本でも古来より、中国から伝わった漢方として、咳やのどの痛みに黒豆の煮汁を飲んでいました。
筆者も子どものころ、祖母に「のどが痛い時は、黒豆の煮汁を飲みなさい」と言われた記憶があります。
近年では黒豆の科学的根拠もわかってきたので、昔の漢方を中心とした医学の伝承が間違っていないこともわかってきました。
黒豆の煮汁を1ヶ月飲むと!?
あるクリニックで、入院患者約70名に、毎日300ccの黒豆の煮汁を飲んでもらい、1ヶ月続けてもらいました。
その後の検査では、血圧や血糖値、中性脂肪値、肝臓機能の数値が正常値に近づいたことがわかりました。
また高齢者では、動脈硬化の影響で頭部の血管が細く、血流が悪くなり、耳鳴りなどの症状が見られますが、それも改善に向かったとのことです。
これは、黒豆の煮汁のお蔭で、血液がサラサラになったため、血管が原因の病気が快方に向かった、とも解釈できますね。
黒豆は薬ではないので、効果効能をうたえませんが、民間療法として、大いに期待できそうですね。
黒豆の栄養価など
黒豆には老化の原因となる活性酸素を除去してくれる「抗酸化作用」のある栄養成分が豊富に含まれます。
ビタミンE、イソフラボンをはじめ、黒豆の色素成分であるクリサンテミンやアントシアニンに抗酸化作用があります。
こうした成分が血管の老化を防ぎ、血液をサラサラにしてくれると考えられています。
黒豆には、上記の抗酸化物質の他に、悪玉コレステロールを下げるリノール酸や中性脂肪を下げるリノレン酸も含まれるので、脂質異常症など、ダイエットにも役立つでしょう。
リノール酸やリノレン酸は血管の健康に役立つ働きもあります。
これらが血管内に入ると、血液を浄化して、黒豆に含まれるサポニンやイソフラボンと共に、血液をサラサラにするのです。
そしてビタミンEは血管を広げて血流を良くすることでも知られますね。
黒豆の粒の中には、こうした血液をサラサラにしてくれる成分がセットで入っているので、常備色としてストックしておきたいですね。
黒豆の煮汁は、黒豆の皮に含まれる成分がダイレクトに体内に吸収されますが、自分で黒豆を煮る手間が面倒な方は、市販の甘さ控えめの煮豆を食べるだけでもいいでしょう。
自宅で作る黒豆の煮汁
スーパーなどの乾物コーナーで乾燥黒豆が購入できますね。
浸水したり、火にかけたりと、待ち時間が長いですが、難しいことはありません。
隙間時間を利用してチャレンジしてみましょう。
【材料】
- 乾燥黒豆 100g
- 水 2リットル
【作り方】
- 乾燥黒豆を水で良く洗い、大き目の鍋に入れ、水2リットルを注いで、1晩浸水します(6~8時間程度)。
- そのまま鍋に火をかけて、強火で一度沸騰させます。
- その後、弱火にして、水分が半量になるまで煮ます(3時間ほど)。
- 煮汁だけ取り出して、保存瓶などに入れます。
- 残った黒豆は、柔らかくなっていたら、お料理などに使用します。
残った黒豆は芯まで柔らかくなっていなかったら、再度水を足して、お好みで甘味料を加えて煮直すと、常備食としていただけますね。
市販の黒豆の煮豆は糖分が多いので、甘さ控えめのものや、自然食品店でてんさい糖などで煮られた黒豆も探せるでしょう。
また炒った黒豆をお茶として飲む「黒豆茶」も製品化されているので、活用してみましょう。
ご自宅で黒豆煮をトライすると、甘味料をラカントやてんさい糖を使うと、より健康効果がたかまるかもしれませんね。
黒豆は日本でも古来から薬代わりに食べられていた伝統食です。
お正月だけではなく、常備食として活用し、サラサラの血流を保ちましょう!