冷え性の改善に生姜がいいのは、常識のようになりつつありますが、毎日生姜を取り入れても冷え性が改善されない方もいらっしゃるでしょう。
これは生姜が悪いのではなく、食事からの鉄が不足して、血液にヘモグロビンが足りていないのが原因かもしれません。
生姜だけでは冷え性が改善されないのはなぜ?
『食品機能学』という学問上、生姜の機能性として、辛味成分のジンゲロールやジンゲロンなどに発汗作用や発熱作用がありますが、持続性はない、と考えられています。
また、摂取するとすぐに体温が上がりますが、その後、体温が下がっていくとも書かれています。
そのため『応用栄養学』の分野でも、寒冷時の食事対応では適切ではない、とされているのです。
これは「食べてはいけません」と言っているのではなく、発汗や発熱作用に持続性がないので、冷え改善に期待しすぎてはいけない、ということです。
生姜は殺菌作用や、血流の改善作用もあるので、この点からは、風邪予防や、免疫力UPの面でいいでしょう。
生姜はカイロのように、すぐに温かくなりたい時に利用するのもいいですね。
冷え性を根本から改善するのは?
冷え性を根本から改善するには、血液の循環を良くすることです。
そういった意味では生姜にも血流改善作用があるので、取り入れても問題ないでしょう。
また、寒い時期は、偏った食事と寒さで、毛細血管が縮まりやすいので、それを広げるビタミンEと、血管に酸素を運ぶ役目のある鉄を食事から摂取しておくと、血液中の赤血球を作る「ヘモグロビン」が産生されやすくなります。
また冷え性は女性に多いですが、それが原因と考えられる肩こりも多くなっています。
ヘモグロビンの産生を正常にして、血流が改善されていくと、肩こりも改善に向かうかもしれません。
ビタミンEと鉄の組み合わせで、いつもの食事を見直してみましょう。
「ビタミンE+鉄」がとれる食材リスト
- ビタミンE
うなぎ、オリーブ、海苔、アボカド、サバ水煮缶、黒ゴマ、モロヘイヤ、桜エビ、アーモンド、かぼちゃ、ニンジンなど。 - 鉄
あさり、煮干、ココア、豚レバー、鶏レバー、黒ゴマ、いわし、桜エビなど。 - 組み合わせ例
- ウナギ丼に、アサリのお吸い物やお味噌汁を
- レバーの炒め物はオリーブオイルを使用し、付け合せにニンジン、トッピングにアーモンドを用いてみましょう。
- ココアをアーモンドミルクで作ったり、アーモンドパウダーをトッピング
- サバの水煮缶を利用する際は、黒ゴマをトッピング
- アボカドと桜えびのサラダ
- レバーパテのサラダ(オリーブオイルの入ったドレッシングで)
身近な食材の組み合わせで、冷えや肩こりなどの不調は、早めに改善しておきたいですね。