”血液”というと、「真っ赤な血潮」を思い浮かべる方が大半でしょう。
赤い部分はヘモグロビンなどを含む赤血球で、その色のイメージが強いのですが、白血球の存在も忘れてはいけません。
ここに免疫細胞が存在しているので、全身の血液中に混じって、様々なウイルスなどから私たちを守ってくれているのです。
人間の血液は複雑?
私たちの血液は、主に赤血球と白血球、そして血漿(けっしょう)と大きく3つに分かれます。
血液1マイクロリットルの中に、通常、500万個の赤血球と、7000個の白血球が存在すると考えられており、赤血球と比べると白血球はかなり微量な存在なのです。
そんな微量な白血球は、さらに好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・単球の5種類の物質が存在しています。
さて、風邪やインフルエンザ、花粉症の季節がやってくると「免疫力UP」などのフレーズが飛び交いますが、冒頭で述べたように、免疫細胞もこの白血球の中に存在しています。
「自然免疫」は単球から変形していくマクロファージ、そして「獲得免疫」と呼ばれるヘルパーT細胞はリンパ球に存在します。
2つの免疫細胞が活躍すると風邪、ウイルス予防に
「自然免疫」と「獲得免疫」の詳細を見ていきましょう。
- 自然免疫(ナチュラルキラー細胞)
ヒトは、息を吸うだけで、空気中をさ迷っている風邪やインフルエンザなどの病原菌、そして活性酸素なども吸い込んでしまいます。
しかし単球に存在するマクロファージが樹状型に変形しながら、病原菌などを撃退してしまいます。正しくは病原菌を食べて無くしてくれているのです。
この時点だとまだ風邪をひくレベルには至りません。 - 獲得免疫
「全滅?」と思っても、必ず生き残りがいる寄生虫のように、体内にも、自然免疫が撃退できなかった強力なウィルスが体内に入り込んでいる場合があります。
そうすると、喉の痛みや鼻水が出てきます。
これらは、ヘルパーTリンパ球が中心となって、ウィルスを抗体してくれます。
ただし、抗体は時間のかかる作業なので、「風邪が長引く」という現象がおきてきます。
しかし、風邪の治りかけに、鼻水が出たり、咳が出るのは、ウィルスを無事抗体させて体外に出すサインです。
「好転反応」という言葉があるように、これは病状が悪くなっているのではなく、毒素を体外に出す行為なので、我慢せずにどんどん鼻をかんだり、うがいをするなどして、出し切ってしまいましょう。
免疫細胞の活躍が低下する生活習慣
夜遅くまでTVを見たり、ゲームをしたりと不規則な生活を送っていたり、「ばっかり食べ」などの偏った食習慣、そしてストレスや冷えなどに注意しましょう。
また、急に激しい運動をするのも、カラダがびっくりして免疫力がダウンします。
免疫細胞は血液中の白血球内に存在するので、カラダ全体に流れる血流中に存在することになりますが、特に腸内に多く生息すると考えられています。
カラダの健康維持や美容だけでなく、ウィルス対策にもやはり腸のおそうじをしておくことが基本となるでしょう。
免疫細胞が元気になる習慣とは?
- 整腸作用のある食物繊維や、冷ご飯中に含まれるレジスタントスターチの摂取を心がけましょう。
- お笑いやコメディ番組、映画などを見て、爆笑する機会を持つと、ナチュラルキラー細胞が増える、という報告があるので、笑う機会を増やしてみましょう。
- 腹筋やストレッチなど緩やかな運動で筋肉をやんわりと鍛えておきましょう。激しくなりすぎないようにご注意!
- プチ断食(ファスティング)や腹六分目以下の食事は、空腹時に、免疫細胞が活性するという報告があります。腸をキレイにするために、たまに取り入れるといいでしょう。
- 梅干し入りのお茶を活用すると、梅干しの殺菌作用で体内の毒素が早く排出されるでしょう。また体内でクエン酸として働き、疲労回復にもなります。お茶のカテキンも殺菌作用がありますね。緑茶がきつく感じる場合は番茶やほうじ茶、麦茶などを利用しましょう。
さいごに
風邪やインフルエンザにかかると、病院で抗生物質などが処方されますね。
それで体内の菌が死滅してくれるのはいいのですが、腸内の善玉菌など”良い菌”まで死滅させてしまいます。
また、薬を飲む為に、食欲がないのに、何か無理に食事をすることにもなります。
そうすると腸に余計な負担がかかります。
腸内の毒素を出し切ってしまうと、血液もキレイになるので、薬に頼らず、思い切って、断食の機会を持つのも一つの処方だと思います。
そうすると空腹時に免疫細胞が活性して一石二鳥となるでしょう。
薬を飲んでも、治りが遅い方は、自然療法も取り入れてみましょう。