花粉症予防や健康、美容のために、野菜や果物を進んで摂取するのはいいことですが、種類によって、生で食べることが多い野菜や果物に、花粉症をひどくするケースがあることがわかってきました。
今は冬場でも、夏野菜が簡単に手に入る時代ですが、季節外れの食べ物は、時として不調を招くかもしれません!?
花粉症が起こる仕組みとは?
花粉症は、主にスギやヒノキの花粉によって起こるアレルギー症状のことです。
これらの花粉が鼻やのど、目などの粘膜に付着して反応を起こし、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみや、涙目などの症状が出てくることです。
スギやヒノキの他に、シラカバ、ブタクサ、桜や梅の花粉で症状を起こす人も増えています。
近年の気象庁の調べでは、2050年までスギ花粉は増え続ける予想が出ており、これまで花粉症と無縁であった人が、花粉症になるケースも懸念されています。
スギの木は、第二次世界大戦後、「樹木を増やそう!」という試みで、各地で苗が植えられたものですが、やがて立派な樹木に成長し、これが日本中に「花粉症」という災いを起こしたようですね。
緑を増やすための取り組みが、残念な災いとなりましたが、日本国民全員が花粉症になっているわけではなく、何の反応も示さない人も大勢います。
一体何が違うのでしょうか?
食の欧米化もアレルギー症状の原因?
アレルギー体質となってしまうのは、食の欧米化に伴い、肉食や乳製品の摂取が増えたことも原因の一つとして挙がっています。
動物性脂肪、特に牛脂やラード、バターなどの飽和脂肪酸は、エネルギーとしてきちんと燃えていれば問題ないですが、体内に残ると、やがてヒスタミンなどのアレルギー物質を放出する原因となります。
マーガリンやショートニングなどのトランス脂肪酸も似たような現象を引き起こすと考えられているので、パンや洋菓子がお好きな人は、知らずに摂取していることになるので、花粉症がひどい時期は控えておくのがベターです。
同時に、脂肪の多い肉類、や牛乳、ヨーグルトなども、花粉症がひどい人に限っては控えておくと症状が和らぐかもしれません。
夏野菜や果物にもご注意!
花粉症にも種類があるので、耳鼻咽喉科や内科などで、ご自分が、どの花粉に反応しているか診ていただくと早く対応の仕方がわかるかもしれません。
筆者も20代前半に花粉症がひどかったのですが、耳鼻咽喉科の血液検査で、スギではなく、イネだということがわかりました。
その後、パン食や洋菓子を控えたところ、改善し、その後は出ていません。
血液検査はオプションですが、花粉症で苦しい方は、そこはケチらずに原因をつきとめておきましょう。
以下に、花粉症のタイプ別に、症状をひどくしているかもしれない、夏野菜と果物をあげます。
- スギ花粉症
2月から春先にかけて症状がひどい人。
⇒ トマト - シラカバ花粉症
スギが育ちにくい地域、北海道などに多い花粉症
⇒ バラ科の植物:りんご、桃、梅、梨、さくらんぼ。他にイチゴ、キウイ、きゅうりなど - ブタクサ花粉症、イネ花粉症
秋から冬にかけて症状がひどくなります。
スイカ、メロン、キュウリなどウリ科の植物
トマトは加熱処理されたトマトジュースやトマトソースなどなら、反応しにくいかもしれませんが、症状のひどい方は、大事をとって、トマトベースが多いイタリア料理は控えておく方がいいかもしれませんね。
誤解の内容にお伝えいたしますが、これらは花粉症がひどい方の場合のお話しで、健常な方が食べたらいけないわけではありません。
花粉症を緩和する食べ物
花粉症をひどくする食べ物がわかったところで、今度は緩和する食べ物もご紹介いたしましょう。
- バナナ
筑波大学が行った花粉症の研究では、花粉症の人たちにバナナを8週間、毎日食べ続けてもらったところ、「くしゃみ」の症状が和らいだ、という報告があります。 - アブラナ科の野菜
特にお寿司に使われるわさびや、今の時期に旬を迎える菜の花は花粉症の予防や改善に役立ちます。鼻の通りを良くして、鼻、のど、目の粘膜を健康に保つ作用が期待できます。 - DHA
魚介類やアマニ油、エゴマ油などに含まれるDHAは目の粘膜の炎症を抑える作用が期待できます。
魚介類はわさびと共に、お寿司などでいただくといいでしょう。 - レンコンの皮
レンコンの皮に黒い斑点がありますが、その正体はカテキンです。埼玉医科大学の研究で、レンコンを皮ごと9週間食べ続けると、血中のアレルギー物質の量が減ったという報告があります。
さいごに
花粉症を一度でも体験すると、毎年、この時期がやってくるのが心配ですよね。
症状のひどい人は、まず、お肉とパンの組み合わせの代表、ファストフードなどを徹底的に控え、夏野菜を多く使ったサラダ、乳製品なども徐々にフェードアウトするようにしましょう。
今が旬の、菜の花やレンコンが花粉症対策にいいように、季節外れの夏野菜は今の時期、自然の摂理としても食べるべきではないのかもしれませんね。
ご自分が「アレルギー体質だ!」とあきらめる前に、原因をつきとめ、原因食材を排除し、花粉に負けない免疫力を育みましょう。