栄養ミステリー

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オメガ3系オイルは元の食品で健康効果が違う?

DHAやEPAなどのオメガ3系(n-3系)オイルは、魚介類やアマニ油から摂取できる健康にいいオイルとして、代名詞のようになっていますね。
脂肪燃焼作用やアンチエイジングなどでダイエット&美容に欠かせません。

カナダの最新研究で、どの食品から得たオメガ3系オイルなのかで、健康に与える影響度が違うことがわかりました。

魚介類がいいのか? 植物性のアマニ油やエゴマ油がいいのか?

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オメガ3系オイルの種類とは?

オメガ3系オイルと言えば、DHAとEPAがセットのようになっていますね。
他にα-リノレン酸(ALA)もオメガ3系オイルに入ります。

実は植物性のアマニ油やエゴマ油は「オメガ3系オイル」としては間違いないのですが、α-リノレン酸の含有量が多く、DHAやEPAの含量は、魚介類ほど高くないことがわかってきました。

そしてDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は魚介類や海藻など海洋性プランクトンに多く含まれており、α-リノレン酸はほとんど含まないようです。

ガン抑制作用は魚介類由来の方が強力か?

カナダのゲルフ大学の研究は、乳がんを患ったマウスの経過を観察したものです。

今まで、オメガ3系オイルは、一括りで、免疫細胞の活性化や腫瘍の増殖経路を阻害することで、ガンの予防や改善に期待できる、とされていました。

しかし、植物由来のものと海洋性由来のものとで、比較されたケースはありませんでした。

この研究では、まずマウスが胎児期の時から、植物性由来のオメガ3系オイルで飼育したものと、海洋性由来のオメガ3系オイルを与えて育てたものにわけました。

その後、実験過程で、ヒト由来の乳ガンに罹患させたところ、海洋性由来の方は、腫瘍サイズが60~70%小さくなり、腫瘍数も30%減少したことがわかりました。
つまり、魚介類や海藻などから得られるDHAやEPAを摂取した方が、アマニ油などの植物性オメガ3系よりも、ガンの抑制や予防になる、ということがわかったのです。

しかし、植物性のオメガ3系オイルは、全くガンの予防や腫瘍の抑制に効果がないわけではありません。
海洋性由来のものよりも、量を多く摂る必要があるそうです。
※参考:『栄養生化学雑誌:The Journal of Nutritional Biochemistry』,2017.12.27

魚を食べよう!

近年は和食離れで、魚の摂取も、昔と比べて減ってきていますね。
日本でガンの人口が増えたのは、魚や海藻の摂取不足も一因となっているのでしょう。

このカナダの研究は、まだ動物実験の段階ですが、マウスはヒトの生体構造と大変似ているので(体内でビタミンCが合成されないなど)、私たちにもきっと、オメガ3系オイルの健康作用は期待できるものとなるでしょう。

アマニ油やエゴマ油は、量をたくさん摂ると、魚介類からのオメガ3系のような効果が望めるようですが、実生活では、難しいですね。
今まで通り、アマニ油やエゴマ油は、加熱調理に使用せず、サラダやお料理の仕上げに活用して、本格的なオメガ3系オイルの摂取は魚介類から摂取するようにしまよう。

なるべく加熱調理をせず、さばいてすぐの魚介類にDHAやEPAが含まれるので、お造りやお寿司、カルパッチョなどからいただきましょう。

加熱した魚料理も、できたてすぐを食べるようにすると損失が少ないので、たまにはご自宅のグリルで焼きたての海鮮を楽しんでくださいね!

お鍋に入れる魚介類も、火が通ったらすぐに引き上げていただきましょう。

さいごに

筆者は、個人的に、肉類よりも、魚介類を食べた時の方が、カラダの調子がよく、少々食べ過ぎても胃もたれもありません。

時々は、お造りやお寿司など生の魚も食べるようにしようと思った次第です。

日本人はきっとご先祖のDNAから肉食よりも、魚介類の方が、体質にあっていると思うので、生活習慣の予防のためにも、魚を食べる機会を増やしてみましょう!