日本ではまだ聞き慣れない「クローン病」をご存知ですか?
厚生労働省の最新の調査では平成26年度で約4万人の患者がおり、実はわが国の「指定難病96」にあがっている病気です。
「炎症性腸疾患」の1つですが、一体、どんな病気なのでしょうか?
原因は食生活ということなので、詳細を見てみましょう。
クローン病の原因、かかりやすい年代は?
クローン病は、厚生労働省の統計では、男女共に15歳から25歳での発症人口が最も多く、次いで30~50代までの方も注意が必要な「炎症性腸疾患」です。
欧米に多い疾患ですが、日本もじわじわと人口が増え、前述の通り平成26年度で約4万人です。
そろそろ次の調査年分が発表される頃なので、5万人近い数字が予想されますね。
原因は高タンパク質食が中心の「食の欧米化」が原因の1つと考えられています。
また、男性の罹患率が2:1で女性の倍近い数値です。
肉食が中心で野菜が不足したり、和食離れが進んだ生活習慣病の1つと言えそうですね。
ちなみに、クローン病の名前の由来は、1932年にこの病気を発見したニューヨークの内科医、クローン医師の名前をとったものです。
クローン病は、消化管すべてに発症する?
クローン病は、主に、腸の炎症の疾患ですが、腸だけではなく、食べ物が入る口腔からはじまり、食べ物が最後に排泄される肛門にいたるまでの消化管、全ての部位にも炎症を起こす可能性があります。
クローン病による炎症は、粘膜が欠損する「潰瘍」も引き起こしますが、小腸と大腸を中心に、特に、小腸の末端部に起こりやすいと考えられています。
また、「非連続性の病変」といって、病気の変化の間に正常部分が存在する、という特徴も持っています。
そうした病変によって、腹痛や下痢、血便などが生じて、体重が減っていくのも特徴です。
クローン病が国の「指定難病」なのは?
クローン病は、様々な原因が挙げられますが、決定的な原因がまだ解明されていないため、国の「指定難病」となっています。
ただ、クローン病に罹患したからといって、すぐ命に関わる病というわけではありません。
アメリカの例ですが、故アイゼンハワー大統領はこの病気に罹患していましたが、70代後半で亡くなり、当時では長生きな方でした。
主な原因は食の欧米化で高タンパク食が上がっていますが、他に、遺伝的な要因、免疫細胞(主にリンパ球)の過剰反応、なんらかの細菌やウイルスなどが上がっています。
糖質オフで、炭水化物を抜いて、タンパク質食品を中心にしている人や、肉好きで野菜嫌いの人などは、腸相が悪くなっているかもしれないので、特に注意しておきたいですね。
人工甘味料がクローン病を悪化させる!?
また加工食品や糖質オフを謳った健康食品や菓子類に使われている人口甘味料は、クローン病をひどくするという報告もアメリカで発表されています。
アメリカのケースウェスタンリザーブ大学のマウスでの動物実験の報告では、クローン病に罹患したマウスに、「スクラロース」という人口甘味料を与えたところ、腸内で「プロテオバクテリア」という大腸菌が増えていたということです。
※参考:『炎症性腸疾患』2018年3月
クローン病は腸内が炎症する病気なので、大腸菌が増えると病気が悪化するのは目に見えていますね。
また、クローン病の人が、スクラロースを始め、マルトデキストリンやアステルファームなどの人口甘味料が入った飲料や食品を摂ると、大腸菌が大量発生しやすく、2次被害として、「ミエロペルオキシダーゼ」という物質も活性化させることがわかりました。
この難しい名前の物質名を覚えておく必要はありませんが、ミエロペルオキシダーゼは白血球の酵素の1つで、体内で良い働きをする微生物(善玉菌など)を殺傷してしまうので、ますます腸相が悪くなるようです。
「腸相が悪いかな?」と心配な方は、くれぐれも人口甘味料をとらないよう、注意したいですね。
さいごに
日本でも、『糖質ゼロ』と謳ったチョコレートやクッキー、〇〇バーなどの加工食品に、スクラロースやマルトデキストリン、アステルファームがよく使われていますね。
一見、カロリーがセーブされ、糖質オフにもなるので、健康に良さそうに思いますが、ダイエット食品を購入する際は、必ずパッケージの裏を見て、原材料名をチェックしましょう。
ちなみに、「エリスリトール」と「ラカンカエキス」は、果物から採取されたカロリーがほぼない甘味料なので、人工甘味料に該当せず、上記の心配も少ないと言えるでしょう。
そして、腸相をよくするために、野菜や海藻、大豆類の食物繊維や、冷たいご飯のレジスタントスターチ、甘味料もオリゴ糖を含むてんさい糖やラカントにチェンジして、腸内細菌のエサとなる食べ物を取り入れ、腸内をクリーンにしておきましょう。