『DIT(食事誘発性熱産生)』をご存知ですか?
厚生労働省の定義では、
「食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。このため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えます。この代謝の増加を食事誘発性熱産生といいます」
となっています。※引用:厚生労働省HPより
私たちのカラダは、このDITという機能が備わっているので、これを意識した食事を心がけると、太りにくい体質に近づけ、ダイエットに大いに役立つかもしれません!?
DITを活用するにはビタミンB群が重要
DITを活用するには、まずは食事の基本、3大栄養素のバランスが大事です。
そのため、糖質オフなどで、極端に炭水化物を抜きすぎて、高タンパク・高脂質になっている状態は、あまりよくありません。
炭水化物(糖質+食物繊維)、脂質、タンパク質の3大栄養素を食事から摂ると、体内の細胞内に存在するミトコンドリアが、それらを原料としてカラダに必要なエネルギーを産生してくれます。
しかし、三大栄養素のみの摂取だけだと、スムーズに産生されないので、この時に必要なのが、ビタミンなどから補える、補酵素となるわけです。
そのため、野菜や果物の摂取が不足すると、せっかく三大栄養素を食事から補っても、ビタミンやミネラルが不足するので、うまく機能せず、余ってしまった栄養素は脂肪となってカラダに蓄積されてしまうのです。
これが「太る」ということですね。
ビタミンの中でも、特に補酵素として大活躍するのが「ビタミンB群」です。
ビタミンB群は、細かく分けると8種類あります。
その中で、三大栄養素に関わるのが、次の3つです。
- ビタミンB1
糖質の代謝に必要です。
糖質からエネルギーを産生し、皮膚や各器官の粘膜の健康維持に関与します。 - ビタミンB2
脂質の代謝に必要です。
また「TCAサイクル」というミトコンドリア内の産生機構にも必要なビタミンです。 - ビタミンB6
タンパク質の代謝に必要です。
タンパク質からのエネルギー産生の他に、血液や筋肉の生成にも必要です。
ビタミンB群の不足を防ぐ食事とは?
3大栄養素をバランスよく摂りつつ、ビタミンB群を不足することなく摂るには、
野菜・海藻・きのこ類の3分野からおかずを選ぶと実現できます。
これらの3分野をまんべんなく取り入れるのは、一見難しいように思えますよね。
しかし、野菜は市販のお惣菜をどれか1種類、海藻はおむすびの海苔や、おみそ汁のワカメ、ヒジキの煮物などから。
そしてきのこは、炊き込みご飯の具や、きのこサラダなどから取り入れれば簡単に実現できます。
一番見落としやすいのがきのこ類なので、きのこが使われているお惣菜やサラダを意識して探してみましょう。
ビタミンB群のうち、前述したビタミンB1、B2、B6はきのこ類にバランスよく含まれているのです。
もちろん、きのこの種類によって、含有量は違ってきますが、だいたい共通して入っています。
一般のスーパーでも買いやすい主なきのこは、
- えのきたけ
- しめじ
- 舞茸
- エリンギ茸
- 椎茸
- なめこ
- マッシュルーム
- キクラゲ
あたりですね。めずらしいきのこ類もありますが、上に挙げたもので十分です。
ミネラル類も野菜・海藻・きのこ類から補える
ミネラル類に関しては、野菜・海藻・きのこ類の3つを揃えると、自然と補えます。
細かい栄養成分を1つずつ意識しなくても、ざっくりと食材の種類を覚えておけば実現できるでしょう。
タンパク質食品では、ビタミンB群を多く含む豚肉(脂身の少ない物)や青背魚がいいですね。
生の魚は調理が大変だと思う方は、サバ缶などを利用すのもいいでしょう。
さいごに
自炊しなければ、バランスのいい食事は実現できない!
と思われがちですが、スーパーやコンビニで買える市販のお惣菜でも、DITを高める食事は実現できます。
『DIT(食事誘発性熱産生)』は食事バランスさえ整えば、カラダに自然と備わった素晴らしい機能なので、その部品とも言える栄養成分が不足しないように、補っておきたいものですね。