気候が良くなったので、ゴールデンウィークは、屋外でバーベキューという方もいらっしゃるでしょう。
バーベキューの主役は何といっても赤身肉ですよね。
たまに食べる分には美味しく、健康被害も心配するほどではありませんが、毎日のように、ハンバーガーや、焼肉定食、牛丼が当たり前になっている方は、脂肪肝などの疾患リスクが、通常の人より高くなるかもしれません!?
赤身肉や加工肉を食べる頻度が多いと脂肪肝になりやすい?
イスラエルのハイファ大学の研究発表によると、赤肉や加工肉(ハム・ウィンナー・ベーコンなど)の摂取頻度が高いと、非アルコール性脂肪肝疾患にかかるリスクが高いことがわかりました。
研究では、イスラエルの、とあるセンターで、結腸内視鏡検査を受けた人々を対象に、2013年から2015年にかけて調査しました。
対象年齢は40~70歳の人たちです。
そのうち、約790名が食事摂取頻度調査を、約360名が詳細な食肉調査を、それぞれ終了しました。
データを解析した結果、お肉の総摂取量が平均よりも多かった人は、少なかった人に比べて、「非アルコール性脂肪肝疾患」が1.49倍、「インスリン抵抗性」1.63倍も高いことがわかりました。
お肉の中でも、特に赤身肉と加工肉を摂取した場合のリスクは、各々1.47倍と1.55倍でした。
そのため、研究者たちは、特に牛肉の赤身肉や、加工肉の摂取を控え、白肉(鶏肉や雉、鴨肉など)や魚介類の摂取にかえるよう、注意喚起を呼び掛けています。
また調理法としては、揚げ物やソテーではなく、蒸したものがおススメだそうです。
※参考:『肝臓学雑誌』2018年1月
赤身肉は頭痛や月経痛をひどくすることも?
前述のイスラエルの研究では、赤身肉と脂肪肝やインスリン抵抗性に関しての調査でしたが、特に牛肉の赤身肉には、食べ過ぎると頭痛や月経痛をひどくしてしまう物質も含まれています。
牛肉の赤身肉にはヒスタミンなど炎症をひどくする物質が含まれています。
また、プロスタグランジンという頭痛や月経痛の原因となる神経を刺激する場合もあるのです。
そして、牛肉を食べ過ぎると、毒性物質の「リポポリサッカライド」(以下LPS)を産生します。
LPSの酸性が高まると、インスリンの効き目が低くなり、血糖値のコントロールができなくなるなどのデメリットも多く報告されています。
牛肉は、たまにご褒美として食べる程度にとどめ、常食の肉類はなるべく鶏肉や、加工肉ではない豚肉とし、牛肉を減らす分、魚介類の摂取を増やしてみましょう。
タンパク質食品は魚介類や大豆製品から
和食離れで、魚介類の摂取が減っていますが、魚介類に含まれるDHAやEPAは、数多くのガン予防作用や、肥満予防などの報告が挙がっているので、肉類の替わりに魚介類や大豆製品の摂取を増やすのは懸命なようですね。
焼き魚弁当や定食は、どこのコンビニやファミレスでも扱っていますし、大手牛丼チェーンでも、魚介類のメニューは取り扱っているはずです。
出費のかさむ、豪華なお寿司やお造りにしなくても、魚介類は手の届く範囲で摂取できるので、これを機に、食べる機会を増やしましょう。
さいごに
筆者は、母が全くお肉を食べられない人なので、幼少より、魚中心のメニューで育ちました。
そのためか、ハンバーガーショップや○ンタッキーへ行くことも、焼肉やステーキを外食で食べに行くことも、成人するまでほとんどありませんでした。
こういう研究報告を見ると、母の肉嫌いが、家族の健康への架け橋になったかもしれないと思います。
お肉好きの方は、全くやめてしまうとストレスになるので、まずは牛肉を豚肉、そして豚肉を鶏肉に、鶏肉も唐揚げではなくサラダチキンなどの蒸し鶏にチェンジし、1日おきに魚介類も取り入れてみましょう。