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喫煙者は無意識に高カロリー食を選ぶ?米・最新報告

先日、アメリカのフェアフィールド大学などの合同研究で、喫煙者の食事傾向について、知らず知らずのうちに、カロリーの高い食事を好むことがわかってきました。
どういう内容なのでしょうか?

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喫煙者は高カロリー、非喫煙者は低カロリー食を好む?

冒頭の研究チームは、『米国国民健康・栄養調査』で、約5,200名の成人の食事記録データを解析し、様々な項目の統計をとりました。
中でも、「平均食事エネルギー密度(kcal/g)」に関しては、年齢、性別、人種、学歴、経済状態、飲料エネルギー密度、身体活動量、BMIなどの項目を調整した後、割り出されています。

その結果、現在進行形で、喫煙習慣のある人は、それ以外の人々に比べて、1日の食事の合計カロリーが、平均で約200kcal多く摂取していることがわかりました。

研究チームによると、この調査で、喫煙者は、高カロリーの食事を好んで食べる傾向があり、逆に、非喫煙者は、低カロリーの食品を好んで食べる傾向が見られた、ということです。

また、細かく解析すると、

  • 習慣的に、一度も喫煙経験のない非喫煙者の場合、食品1gあたり1.79kcalを摂取
  • 毎日喫煙習慣のある人は、食品1gあたり2.02kcalを摂取
  • 毎日ではないがたまにタバコを吸う人は、食品1gあたり1.89kcalを摂取
  • 禁煙を実践中の人は、食品1gあたり1.84kcalを摂取

という平均値も割り出されました。
これは、タバコの本数の問題ではなくて、毎日タバコを吸うか吸わないかの習慣によるものだそうです。
※参考:『BMC公衆衛生』2018年5月

「自分はヘビースモーカーではない!?」と自負している人も、毎日1本でも喫煙習慣があれば、食事の質が落ちるということになるそうなので、該当する方は気をつけておきましょう。

喫煙者は野菜&果物を好んで食べない?

この研究の食事調査では、喫煙者は野菜や果物の摂取量も平均すると、他の人たちよりも、きわめて低いことがわかっています。
そのため、喫煙者は、ただでさえ喫煙によって、カラダからビタミンCが消耗しやすいのに、野菜&果物を摂取していないため、ビタミンC不足が加速化しており、その影響で、心血管疾患やがんのリスクを高めているのではないか、とも考えられています。

喫煙者がどうして野菜&果物を食べたがらないか? 体内でどのような科学的な反応が起こっているか? などの調査や理由までは、まだ解明されていませんが、本研究の調査結果で、禁煙を試みるだけでも、低カロリー食に移行できることがわかったので、タバコをやめることは、体重増加の予防になるのではないか、と期待されています。
※参考:『BMC公衆衛生』2018年5月

セカンドハンドスモーク(受動喫煙)の人も危ない?

自分自身は喫煙習慣がなくても、オフィスが喫煙OKであったり、毎日、喫煙OKのカフェに通っていたり、家族の中に食事中やリビングで、タバコを吸う人がいたりすると、自身もタバコの煙を吸うことになるので、喫煙者と同じような不調を起こす場合がありますね。
これを「セカンドハンドスモーク」(受動喫煙)と言います。

前述の研究では、セカンドハンドスモークの人については、触れられていませんが、できる限り、タバコの煙から、身を守った方がよいと考えます。

筆者は10数年前に勤務していたオフィスが喫煙OKの上、空気清浄機の前の席であったため、季節毎の気管支炎や肌荒れに苦しんだことがあります。
その時のことを振り返ってみると、ハンバーガや揚げ物など、カロリーの高いものが無性に欲しくなってよく食べていたのです。
しかし、転職して環境がよくなると、高カロリー食は恋しくならず、野菜&果物も進んで食べるようになりました。
科学的根拠はわかりませんが、タバコの煙の影響でそうなっていたのかもしれません。

さいごに

喫煙習慣がないのに、高カロリー食を好んで食べてしまう方は、もしかすると、嗜好の問題ではなく、周りにタバコの煙の害があるのかもしれませんね。
喫煙習慣がある人はもちろん、そうでない人も、食事の質が低下しないよう、できる限りタバコの煙から身を守るようにしてみましょう。