脂の乗った旬の魚は美味しいものですよね。
フィンランドの研究で、脂の多い魚を摂取すると、コレステロールを安定させ、脂肪組織を変化させることがわかってきました。
特にグルコース代謝障害のある方には有益なようです。
詳細を見てみましょう。
脂身の多い魚と椿油はコレステロールの安定にいい?
魚油は以前から、コレステロールのコントロールにいいと言われていましたが、具体的にどのようにいいのかもわかってきました。
コレステロールには善玉と言われるHDLコレステロールがありますが、このHDL粒子のサイズが低下すると心血管疾患のリスクが高まってしまいます。
しかし魚油を摂取することで、HDL粒子のサイズを上昇させ、その上、脂肪組成も高めて健康状態の向上につながるようです。
また違う働きで、椿油(カメリアオイル)にもコレステロールの安定化が期待できるとのことです。
※参考:『分子栄養と食物研究』
グルコース代謝障害にある人にいい
東フィンランド大学の研究では、グルコース代謝に障害のある、40~70代の男性、約80名を対象に、4つのグループに分けて12週間の経過を観察しました。
4つグループは、[A]椿油、[B]脂の多い魚、[C]脂の少ない魚、[D]対照群(普通食)に分けられ、12週間後にデータ解析した結果、[B]グループにHDL粒子と脂肪組成の上昇が見られたそうです。
次いで、[A]グループは悪玉コレステロールの前駆体である「IDL」粒子を小さくする働きが見られ、椿油は脂の多い魚とは違った意味で、コレステロールを安定させることがわかりました。
そして[C]グループは、コレステロールや脂肪組成の変化が見られませんでした。
この[A]~[C]の結果は、いずれも[D]の対照群と比較した結果のようです。
※参考:『分子栄養と食物研究』
脂の多い魚を食べよう!
魚の種類によって、脂の多いものと、そうでないものがありますね。
だいたい旬の魚は、良質の脂が乗っていて美味しいと言われていますし、養殖ではなく、天然ものも多いので、ぜひ取り入れておきましょう。
今の時期では(2018年6月現在)、アジ、アユ、スズキ、ゴマサバ、キス、カツオ、カレイ、ハモあたりですね。
その中で脂の多い魚は、青背魚と呼ばれる、アジ、アユ、ゴマサバあたりと赤身魚のカツオです。
ただし、魚油は酸化しやすいので、お造りや海鮮丼など、生でいただくか、焼き立て、揚げたて、すぐのものをいただくようにしましょう。
さいごに
脂の多い魚はカロリーが高いからと、避ける人もいるようですが、良質の魚油をとって、体内で脂肪組成に変化がおきると、体脂肪が燃えやすくなったり、かえってダイエット効果が高まるかもしれません。
その上、コレステロールも安定化すると高血圧や心疾患、脳疾患などの生活習慣病の予防にもなるので、肉食派の方は、少しでも脂の多い魚を摂るようにしましょう。