「早起きは三文の徳」と昔から言いますが、やはり早寝早起きの「朝型人間」は病気になりにくく、寝るのが遅い「夜型人間」は病気になりやすいことがイギリスの大規模調査でわかりました。
朝型人間は喫煙率も低く長寿傾向
イギリスのサリー大学の研究では、38歳~73歳の約43万人を対象に、生活習慣の大規模な調査を行い、6.5年間(平均)の追跡調査も行いました。
調査はまず、アンケート形式で、「完全に朝型(27%)」「どちらかというと朝型(36%)」「どちらかというと夜型(29%)」「完全に夜型(9%)」の4つの項を選んでもらい、グループ化しました。
その結果、「完全に朝型」の人たちは「完全に夜型」の人たちと比べて、喫煙率はかなり低く、平均年齢も高く長寿傾向であることがわかりました。
夜型人間は病気になりやすい?
「完全に夜型」の人は、病気との関連も高いことがわかってきました。
以下、「完全に朝型」の人たちとの比較の結果です。
- 精神疾患のリスク 1.94倍
- 糖尿病、消化器系疾患、呼吸器系疾患、神経系疾患のリスク1.2倍
- 全死亡リスク 1.1倍
とのことです。
全死亡リスクとは、ガンなど様々な病気が原因となって死に至る、全てのリスクを指します。
夜型人間が死に至る具体的なケースとは?
近年、働きすぎで睡眠時間が取れず、神経系に影響が及び、そして精神状態が悪くなり、自ら命を絶つ人が増えています。
また、自ら命を絶たなくても、同じような生活環境で、脳梗塞や心不全などを起こして亡くなる方もいらっしゃいます。
また深夜までゲームやネットサーフィンにのめりこんで、夜型になる人もいます。
前述の研究では、こうした夜型で死亡リスクが高まるのは、体内の生理的なタイミングと、仕事や社会活動など、外部から強いられたタイミングが慢性的にズレていることが原因だと考えられる、としています。
※参考:『Chronobiology International』2018年4月
人間や動物には体内リズムがあり、人間の場合は日中に行動し、夜に眠るという体内リズムが備わっています。
仕事のサイクルで昼夜反転しまう場合もあると思いますが、睡眠時間は最低でも6時間は確保しておきましょう。
夜型人間は太りやすい?
夜型になると、体内リズムが狂うので、神経系に影響を及ぼし、摂食中枢が刺激されてドカ食い傾向に走る場合もあります。
夜型でも、睡眠時間をきちんと確保できていればいいですが、睡眠時間が足りないと、体力を食事で取り戻そうと、またドカ食い傾向に走りやすくなります。
体力が落ちると、即エネルギーになるようなものを、カラダが自然の摂理で求めるようになるので、どうしても揚げ物やスイーツ、加糖飲料に手が出てしまいます。
こうした傾向に陥ったら、おにぎりやバナナなどでエネルギー補給するようにしましょう。
エネルギーチャージができる加工食品の多くは、生成小麦粉とショ糖でできており、体力が落ちているときに大量に摂ると、ただでさえ夜型は病気になりやすいのに、病気を加速させる恐れもあるからです。
夜型生活は神経系にも影響が及びやすいので、神経系を刺激するチョコレートやコーヒーなども控えめにするのが望ましいでしょう。
さいごに
仕事サイクルで夜型を余儀なくされている人も多いかもしれませんが、睡眠時間を確保したり、ドカ食い傾向をガマンするなどの特徴を知っておけば、大きな病気は防げるかもしれません。
しかし、ゲームなどで夜更かしして、命を縮めるのはもったいないことです。
病気で苦しむ前に、時間配分も考慮に入れて、生活習慣を改めてみましょう。